酒本舗
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二月の酒と本(三)

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最近飲んだ酒 近頃読んだ本
久美浜浪漫

久美浜浪漫(京都)
特別本醸造
720ml/1000円


久美浜の酒販組合の発案で、平成13年より地元の二つの酒蔵・熊野酒造(主銘柄:久美の浦)と木下酒造(同:玉川)が、それぞれ久美浜の気候風土に育まれた五百万石を使って醸している特別本醸造。今回呑んだのは熊野酒造バージョン。原酒を彷彿させるようなどっしり感とほのかな甘味。しっかりと幅がありながら、それでいて素直な飲み口なので、ついぐびぐびと呑んでしまった。冷蔵庫から出してちょっと置いたくらいが一番旨い。

蒼穹のかなたへ

蒼穹のかなたへ
ロバート・ゴダード著/加地美知子訳

「自分が曲がりなりにも真実への道をたどっているのはたしかであり、とことん追求せずにはいられない頑固な性格からしても、自分はけっしてこれを途中で投げだしたりはしないだろう。」(上巻第12章より)

いろんな書評を通じて「ゴダードはいい」とインプットされていたが、複雑なプロットや重厚なトーンの物語を読み進むだけのココロの余裕がなく、気にはなりつつも遠巻きに背表紙を眺めていた。今回手に取る気になったのは、出張の移動で6〜7時間のヒマが見込めたから。これだけあれば上下巻とも一気に読み切れるだろうと・・・。
半ば世捨て人的心境にあった一人の中年男が、己の意地をかけて一人の女性の失踪の謎を追っていくうちに、人生の偶然と皮肉に気付かされていくお話。ハードボイルドにありがちなテーマではあるが、謎解きそのものよりは事件を巡る因果が、結果的に最大の読みどころとなった。
ふむ。確かに巧い、面白い。が、一応他の作品も読んでみて様子を見ることにしよっと。

「・・・今度の件ではわたしたちみんながなんらかのかたちで、裏切り行為に屈従するか誘いこまれるか巻きこまれるかして、結局は誰ひとりそれで利益をえなかった。きみの言ったとおりだ。わたしたちはみんな、当然の報いを受けたんだよ」
「だから?」
「だからその痛手のごくわずかでも埋め合わせたいんだ、めちゃめちゃになったなかから救いだせるものがあるのなら」
「それがわたしを助けること?」
「そうだ」
(下巻第65章より)


(2004/2/12更新)

 
くどき上手

くどき上手(山形)
純米吟醸しぼりたて本生無濾過
720ml/1400円


秀吉のような出世する武将は説得力がある=口説き上手であることから、成功する、出世するという意味を込めて命名されたとのこと。さてこのしぼりたては、毎年12月にだけ出荷するこだわりの新酒。原料米には減農薬・減化学肥料の美山錦を使用。しぼりたてとは思えないほど味が乗っていて、とにかく香り、甘味、酸味のバランスが絶妙。飲めば飲むほど旨さが増し、アルコール度数が17-18度と高いにも関わらず後味もすっきり。満足度の高いなかなかの佳き酒であった。

   

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