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蒼穹のかなたへ
ロバート・ゴダード著/加地美知子訳
「自分が曲がりなりにも真実への道をたどっているのはたしかであり、とことん追求せずにはいられない頑固な性格からしても、自分はけっしてこれを途中で投げだしたりはしないだろう。」(上巻第12章より)
いろんな書評を通じて「ゴダードはいい」とインプットされていたが、複雑なプロットや重厚なトーンの物語を読み進むだけのココロの余裕がなく、気にはなりつつも遠巻きに背表紙を眺めていた。今回手に取る気になったのは、出張の移動で6〜7時間のヒマが見込めたから。これだけあれば上下巻とも一気に読み切れるだろうと・・・。
半ば世捨て人的心境にあった一人の中年男が、己の意地をかけて一人の女性の失踪の謎を追っていくうちに、人生の偶然と皮肉に気付かされていくお話。ハードボイルドにありがちなテーマではあるが、謎解きそのものよりは事件を巡る因果が、結果的に最大の読みどころとなった。
ふむ。確かに巧い、面白い。が、一応他の作品も読んでみて様子を見ることにしよっと。
「・・・今度の件ではわたしたちみんながなんらかのかたちで、裏切り行為に屈従するか誘いこまれるか巻きこまれるかして、結局は誰ひとりそれで利益をえなかった。きみの言ったとおりだ。わたしたちはみんな、当然の報いを受けたんだよ」
「だから?」
「だからその痛手のごくわずかでも埋め合わせたいんだ、めちゃめちゃになったなかから救いだせるものがあるのなら」
「それがわたしを助けること?」
「そうだ」(下巻第65章より)
(2004/2/12更新)
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