酒本舗
BACK

四月の酒と本(五)

NEXT

最近飲んだ酒 近頃読んだ本
春鹿

春鹿(奈良)
純米吟醸生酒・しぼりばな
720ml/1250円


冬季限定の新酒。酒米は、熟成と共に味の乗った深みのある酒になってゆく特徴を持つ滋賀の玉栄。
上立ち香は果実を思わせる華やかさがあり、+5ながら口当たりはほんのりとフレッシュな甘みを感じる。そして口に含んでいるうちに膨らみのある旨味がゆっくりと広がり、飲み込むと同時に辛口のキレの良さが余韻となって残る。香味のバランスがよく、 軽快、なめらか。値段も安いし、コストパフォーマンスを考えるとかなりイケてるかも。

一行力

一行力
岩永嘉弘

「私たちがキリストの苦悩やアインシュタインの洞察を追体験することは不可能でも、思索の結果を、瞬時に受け取ることはできます。それが一行の力です。〜(中略)〜でも、力ある一行は、歴史上の天才や偉人の専売特許ではありません。」(プロローグより)

という訳で、著名なコピーライターであり、ネーミングの名人でもある著者によって選び抜かれた歴史上の名文句、歌の一節、小説の名フレーズ、広告コピー、マンガ・映画のセリフ等見覚え聞き覚えある一行が、その背景と共に紹介される。

「わかっちゃいるけどやめられない」
「善人なほもつて往生を遂ぐ。況んや、悪人をや」
「胸騒ぎの腰つき」
「遊びをせんとや生まれけむ」
「一人殺せば殺人者だが、百万人殺せば英雄だ」
「貧乏人は麦を食え」etc.

でも個人的な“史上最強の一行”と言えば、やっぱり

「これでいいのだ」

自らが引き起こしたあらゆる矛盾や非合理、不条理等を全て強引に解体し思考停止へと追いやってしまう、誠に恐るべき言葉の最終兵器なのだ。

「バカボンのパパの『これでいいのだ』は、ことの是非を超越しているのだ。道徳も世間常識も、まったく関係ないのだ。これをキリスト教なら『神のご意志』といい、仏教なら『縁』といい、イスラム教なら『アラーの思し召し』と呼ぶのだ。」(第1章より)

(2004/4/23更新)
岩永嘉弘のその他の本:「すべてはネーミング」

 
日置桜

日置桜(鳥取)
生もと純米
1800ml/2730円


原料米の「強力」は、明治時代に鳥取県で食用、酒造用として広く栽培されていた米。山田錦より背が高く倒れやすくて育ちにくいため、昭和20年代に一旦すたれたが、この日置桜の蔵元(山根酒造)が個性的な因幡の酒を醸すため、一握りの研究用種籾から栽培を開始したとのこと。
旨味の中に感じられる程良い酸味と、しっかりとしたコシの強さが、「酒を飲んだぞ〜!」という充実感を味わわせてくれる。そして濃厚な味には濃厚な肴を、ということでお店で注文したのが「魚の肝煮」(当日仕入れた色々な魚の肝を甘辛く煮つけた一品)。合わせてみたら、案の定旨かったぜい。

   

TOP HOMEページへ