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インターネットにおける行動と心理
-バーチャルと現実のはざまで-
A.N.ジョインソン著
/三浦麻子・畦地真太郎・田中敦訳
「インターネットは人々に『現実生活』における自らのあり方を変えようという気持ちを駆り立てる何かを与えているのかもしれない。もしある人がオンライン上である特定のタイプの個人として振る舞う(あるいは振る舞っていると認知する)ことができるのであれば、このことはオフラインでも同じような状況を作り出そうとする誘因となるだろう」(第5章「インターネット上の個人内・個人間行動:肯定的な側面」より)
インターネット上での人間の行動と心理について、学問的な見地から極めて真面目に、豊富な研究・実験事例を挙げながら考察した学術書。でも「インターネット上でのポルノ消費に対する心理学的視点」「インターネット上の恋愛関係」なんて章立てがあったり、「サイバーセックス」とか「1人エッチ(solo sex)」なんて言葉が不意に目に飛び込んで来たりするので、ビミョーに興味をそそられながら読み進めてしまった。
インターネットの心理学的研究と言っても、主な対象はWEBサイトではなく、電子メールを媒介にした人間対人間のコミュニケーションである。特にネットの世界で"匿名性"を得た人間が、どのように自己開示をしたり、愛情を育んだり、他人を攻撃したり、逆にサポートしたりするか等を、近年の幅広い研究成果を元に分析している点が特徴。長年ネット関係の仕事をしていれば感覚的に解る事ばかりではあるが、論理的・学問的に整理された研究成果に触れる事で、より確信を持って語れる様になるのがありがたい。
「一度インターネットで相互作用をしてみれば、匿名性が説明責任に対する懸念を減少させるために、対面よりもたやすく自己開示ができることに誰もが気づくであろう。したがって、その相互作用の効果として、自己に関する情報をすすんで公表したいと思う個人の意志が生じるだろうことが予想される。」(第7章「インターネット行動を理解するためのフレームワーク」より)
(2004/6/2更新)
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