酒本舗
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 六月の酒と本(三)

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育てもと

富久錦(兵庫)
育てもと完熟酒
720ml/1470円


このたび昔からの友人で、神戸「TAO」をはじめ有名中華料理店の料理長を歴任して来た銭明健君が、本人曰く「普通の大衆中華」を神戸・岩屋に開店する運びとなった。彼の腕前と実績からすれば、何とも贅沢かつハイレベルな“普通の”店である。
さて開店にあたり、「中華に合う日本酒を探して」との依頼を受け、今後の仕入も考慮しつつ、おなじみ小網中酒店のアドバイスで推薦したのがこの「育てもと」。富久錦の生もと造りの酒を、蔵で4年間熟成させた琥珀色の酒だ。開店に先立っての試食会で実際に料理と合わせてみたが、甘い熟成香と複雑な味わい、まろやかな口当たりはまさに中華向き。安物の老酒より格段にマッチすること請け合いである。
なお店の名前は「同源」。阪神「岩屋」駅改札を山側へ出て東へ徒歩1分。一流の腕を持つシェフが、本気で大衆中華を作ったらホント、凄いよ。

ブランドII

ブランドII
岡安道/岡田望著

岡「すぐれたブランドは官能的。だから『理論で問題を抽出し、感情で解決する』これが、理想だ。」
吉田「その一言でこの章は終わり、という感じだ。」
(容疑4「理論と感覚のサスペンス」より)

どんな世界・領域においても、ブランドになったものが勝ちである。そして広告の世界で岡康道と言えば知らない人がいない一流ブランドだから、いずれ自分もブランドになりたいと願うクリエイティブ畑の若い人達にとっては、前作「ブランド」と合わせて必読の二冊ということになるのだろう。
特に下で引用した本書最終章の「優れたクライアントに選ばれる制作者でありたい」という岡氏の言葉は、共感度100%。一流クリエイターの口から出ると尚のことカッコいいと思う。
惜しむらくは、「ブランド」というタイトル(=テーマ)に対して前作以上に忠実にあろうとしたせいか、話の流れにやや不自然さ、唐突さが散見した気がしないでもない。内輪話的要素をブランド論に結びつけた(ように見える)箇所もあったし。
でも、どんな名作映画や小説も、「続」や「PART2」はこんなもの、と思えばどうってことはない。マーカーペンで本文に引く線の数が半分以下に減ったという、ただそれだけのこと。

岡「結局クライアントと一緒に夢を見ることなんだろうな。僕らまだ勉強が足りない。能力だってたかがしれてる。優れたクライアントがいなければ何もできない。優れたクライアントに選ばれる制作者でありたいと思う。」
吉田「同感だ。岡、明日からまたがんばろうぜ。」
(終章「ブランドの次はあるか?」より)

(2004/6/13更新)

 
 
   
   

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