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一勝九敗
柳井正著
「発信する側の真意を理解した上で、それを『相手に伝わる』ように解釈して表現する。それが超一流のクリエーターのやることだ」(III「急成長からの転換」より)
「会社とは一種のプロジェクト、期限のあるもの」等々、会社経営についての箴言が数多く含まれた本なので、本来その辺を引用するべきかも知れないが、私は制作に携わる者として、冒頭に引用した一文に最も心惹かれた。プロの商業クリエーターがやるべき仕事の本質を、実にシンプルかつ的確に表現した言葉だ。本書で著者は何度も「私は頭が良くない」という趣旨の事を書いているが、物事の本質を端的に表現するのは、頭の悪い人にできる芸当ではない。
一般的に“成功者”と思われているユニクロの会長が、自らが犯してきた数々の経営上の失敗を率直に分析しながら、借り物でない自らの言葉で経営者のあるべき姿を語った本。この人は本気で自分を大した成功者とは思っていないのかも・・・と読み手に思わせる所が、かえって著者の強さを印象づけている。
「本書でも触れたように、実は『一勝九敗』の人生なのだ。勝率でいうと一割しかない。プロ野球のピッチャーではすぐに首になるか二軍落ちは確実だ。もし、これでも成功と呼べるのなら、失敗を恐れず挑戦してきたから今の自分があるのだろう。」(「あとがき」より)
(2004/6/19更新)
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