酒本舗
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九月の酒と本(二)

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菊正宗

菊正宗(兵庫)
ひやし樽酒
300ml/380円


My冷蔵庫の酒も乏しくなったし、何かストックしておこうかとコンビニの冷蔵棚の中をのぞいていると、何となくこの菊正宗ひやし樽酒が目に付いた。樽酒のパッケージと言えば木を意識した肌色系か茶系のものが多い中、泡盛のラベルを彷彿させるブルーの色合いと、「ひやし」の言葉にそそられて、何となく買ってしまった感じ。
ただ飲んでみると、樽の香りが意外に鼻につかず、味もキクマサ独特のすっきりとした辛口。最近仕事が立て込んでお疲れ気味なので、樽香のアロマテラピーに癒されるのもまた一興かと。

大阪下町酒場列伝

大阪下町酒場列伝
井上理津子

「一人だから、少しずつ盛っとくね」
と、出てきたお惣菜は素朴な甘辛味。が、「どこが少しずつやねん」と突っ込みたくなるような大盛りだ。こちらの「唖然」顔を見たおかあさんは、
「これで、普通の半分くらいの盛りよ。さもしいのはイヤやから」
(「桜橋 大輝」より)

桜橋の「大輝」に初めて、今は亡き当時の上司Kさんに連れられて行ったのは社会人1年生の頃。「ちょっこし」(ちょっぴりの意)と言いつつ山程の総菜を入れてくれる白塗りの女将さんは、一回会えば忘れられないインパクト満点の人だった。
そして昨年。中之島のホテルで利き酒会があった帰り、SAKE王国のヒデさんに「いい店があるんですよ」と連れて行ってもらったのが、久々の「大輝」だった。女将さんとは恐らく18年ぶりの再会であったが、向こうは当然覚えているはずもない。ただただこちらは、亡くなった上司と毎夜飲み歩いたうちの“一日”を偲びつつ、相変わらず豪快に盛ってくれる美味しい総菜に、舌鼓を打つのであった。

「ほんまにおいしいて安いですね」
と言えば、オッチャンは目を細めてこう返す。
「儲けよて思たことないから、二十年間一回も値上げしてへんの。おいしいて安いねんから、お客さん来はって当たり前。お客さんが得する店やねんから」
(「大正 クラスノ」より)

(2004/9/10更新)

 
 
 

 

   

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