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七福神(岩手)
てづくり大吟醸
1800ml/3500円
蔵元の菊野司酒造は、17世紀前半の元和年間(1615〜1623)創業。南部杜氏の発祥地である石鳥谷に蔵を構え、造り酒屋として220年もの伝統を誇る。昭和40年代、糖類などの副原料を加えた三増酒が一般的で吟醸酒の存在がまだ知られていない時代から、この蔵では“てづくり七福神”の名で幻の大吟醸酒を手掛けていたという。
ふわっとした吟醸香、程よい中辛口のコクとキレ、そして余韻が楽しめる後味の良さ。料理にも合わせやすい、バランスの取れた佳酒である。
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霍光
塚本青史
もっとも霍光自身も二十五年ばかり前、匈奴征伐の英雄霍去病の異母弟という引きで、十余歳にして郎官の端くれに連なることができた。亡兄の威光をもって、皇帝のおぼえめでたいという負い目はある。だから不惑に手が届こうとする今日まで、決して奢らず、控えめで地味な生活を心がけてきたのだ。ましてや、他人の批判など、口が裂けても言えるものではない。(第一章「前(96〜92)年」より)
主人公の霍光(かくこう)は、漢の武帝の全盛期に天才将軍とうたわれた霍去病(かくきょへい)の異母弟。皇帝の摂政として政治の実権を握った実在の人物で、同時代人として「史記」を後世に残した大歴史家・司馬遷や、中島敦の「山月記」で描かれた悲劇の武将・李稜がいる。とまあ、かくの如く補足説明が要る地味な人物が主役で、作品内でも特に魅力的には描かれていない。
ただ何の先入観も共感性も持てない対象だからこそ、著者の手でひとたび人物像に生命が吹き込まれるや、彼を取り巻くコップの中の嵐の如き当時の宮廷内の人間模様がリアルに眼前に呈示される。「王莽」の時と同様熱過ぎず冷た過ぎず、過剰な博識をひけらかすこともなく、登場人物との程よい距離感を保つ著者のスタイルは、歴史好きには読んでいて大いに心地よい。
天誅が下ったとした思えない。
皇帝を隠れ蓑にして、権力を振るってきた報いである。霍光自身は控えめにしてきたつもりであったが、夫人顕をはじめ、奢りは著しいと言わねばならぬであろう。霍一族が責められるのであれば、責任を取るのは大司馬大将軍を拝命し、位人臣を極めた自分しかない。霍光はそう思うと、瞑目した。そして、毎晩悪夢を見た。(第五章「前(74〜68)年」より)
(2004/9/21更新)
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