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大山(山形)
特別純米ひやおろし
1800ml/2520円
春までに仕込んだ酒を夏の間に蔵内で熟成させ、外気と蔵の温度が同じ位になる秋に出荷する酒を「ひやおろし」という。春頃に出回るしぼりたてより味が乗っていて、かつフレッシュさもキープしている、この時期だけのうれしい酒だ。
さてこの大山特別純米ひやおろしは、原料米「雪化粧」を60%磨き、酵母には地元の山形酵母を使用。香りに派手さはないが、料理に良く合うさらりとしたスッキリ系辛口。今回は程よく冷やされた状態で飲んだが、ぬる燗にしても美味しく飲めそうな味わいである。
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神々に告ぐ(上)(下)
安部龍太郎
義輝が気の毒そうな目を向けた瞬間、前嗣の身に思いもかけぬことが起こった。義輝の胸中がこれまでになく明確に、まざまざと分かったのである。
それは察するとかおもんぱかるという程度のことではない。義輝が何を考え何を隠しているか、心の中が手に取るように読めたのだった。
(読心術か・・・・・)(第六章「将軍出陣」より)
安部龍太郎の「戦国三部作」の第一弾。時代背景はちょうど信長の若い頃、剣豪将軍として名高い足利義輝の時代で、主人公は関白・近衛前嗣、敵役が松永久秀・・・と、こんな風に並べてみても、歴史好きでなければ、信長以外はあまりなじみのない顔ぶれだろう。それも主人公がお公家さんとなると、なおさらである。でもそこを最後まで読み切らせてしまう所が、作者の力量なのだろう。前回の「霍光」同様、マイナーな実在人物を主人公に据え、有名どころを脇に置いたスタイルの佳作である。
著者は、スケールの大きな伝奇小説の大家・隆慶一郎が、最後に会いたがった新進作家(当時)と言うのが出版社の売り文句であったが、天皇(帝)に神秘性を持たせ超能力と微妙に絡ませる辺りは、隆氏未完の大作となった「花と火の帝」を思い出させる。
「敵にも一人くらい気骨のある者がいなければ、戦はつまらぬものでござる。弾正どのも侘住まいなどなされず、手強き相手となって下され」
信長は馬にぴしりと鞭を入れると、雨に煙る都大路を蹄の音も軽やかに駆けていった。
久秀はふと、都への道をもっとも早く駆け戻ってくるのは、あの若者かも知れぬと思った。(第十二章「晴信造反」より)
(2004/10/1更新)
*安部龍太郎のその他の本:「海神−孫太郎漂流記」「生きて候」
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