酒本舗
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十一月の酒と本(一)

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最近飲んだ酒 近頃読んだ本
高砂「楽」

高砂(静岡)
楽 山廃本醸造
720ml/945円


静岡の日本酒専門店「丸河屋」さんのメルマガで毎月行っているモニタープレゼントに応募し、幸運にもゲット。「高砂」という銘柄は複数あるが、こいつは富士の伏流水を仕込に使っている静岡は富士高砂酒造の商品。ちなみに静岡で山廃蔵はこの高砂酒造だけらしい。
まず徳利を彷彿とさせる瓶のデザインがいい。飲み終えても捨てずに取っておこうか・・・。それはさておき、今回はモニターなので冷温、常温、ぬる燗、熱燗の4パターンで試飲。山廃のイメージからもう少しミルキーでどっしりした味わいを想像していたが、クセのない淡麗辛口で切れの良い飲み口。個人的にはぬる燗>常温>冷温>熱燗の順に旨く感じられた。特にぬる燗の旨さは秀逸で、最もふくらみが感じられ、バランスも良く飲み飽きない。アテは魚三種(秋刀魚のつみれ、鯛の塩焼き、焼きうるめ)で合わせてみたが、焼きうるめとの相性がピカイチであった。これで1000円を切るとは、お主もなかなかやるのぉって感じ。

長いお別れ

長いお別れ
レイモンド・チャンドラー著/清水俊二訳

「ぼくは店をあけたばかりのバーが好きなんだ。店の中の空気がまだきれいで、冷たくて、何もかもぴかぴかに光っていて、バーテンが鏡に向かって、ネクタイがまがっていないか、髪が乱れていないかを確かめている。酒のびんがきれいにならび、グラスが美しく光って、客を待っているバーテンがその晩の最初の一杯をふって、きれいなマットの上におき、折りたたんだ小さなナプキンをそえる。それをゆっくり味わう。静かなバーでの最初の静かな一杯−こんなすばらしいものはないぜ」(第4章より)

しばらくぶりにチャンドラー畢生の傑作と呼ばれる本書を読み返した。初めて読んだのは20代前半の頃。当時、バーへ行けば必ずギムレットを注文したものだった。CAMELを吸い始めたのも、バーボンを飲み始めたのも、すべては主人公フィリップマーロウがきっかけ。
ただ今回は、自分自身がマーロウと同い年になった分、これほど味わい深いセリフが多い本だったのかと改めて気づかされた。日常生活でうっかり使えば鳥肌が立ちそうな気障な言葉が多いものの、それがまた、ハードボイルド小説を読む魅力の一つでもある。
ちなみに本書でのギムレットのレシピは、「ジンとローズのライム・ジュースを半分ずつ、ほかには何も入れない」ということになっているが、この通りに作るとかなり甘めのギムレットになるらしい。今度行きつけのバーで試してみようか。

彼は手を顔にあげて、色眼鏡をはずした。人間の眼の色はだれにも変えることができない。
「ギムレットにはまだ早すぎるね」と、彼はいった。
(第52章より)

(2004/11/2更新)
*レイモンド・チャンドラーのその他の本
「大いなる眠り」
「世界の名探偵コレクション10フィリップ・マーロウ」
「ロング・グッドバイ」

 
       

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