酒本舗
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十一月の酒と本(五)

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忠臣蔵

忠臣蔵(兵庫)
純米吟醸生
720ml/1650円(?)


播州赤穂の「忠臣蔵」は2度目の登場。前回の山廃仕込純米はどっしりとした辛口だったが、今回の純米吟醸生は、米の風味がしっかりと残った濃醇旨口タイプ。生のフレッシュ感と程よい酸味がかなりいい感じで、後味のキレ具合も心地よい。
たまたまではあるが、開栓後数日置いてから飲んでみると、ちょうどいい塩梅に味が乗って、ますます幸せな気分になった。もう少し世の中に知られても良い酒だと、個人的には思う。

現代思想のパフォーマンス

現代思想のパフォーマンス
難波江和英/内田樹

観客を映画館へ招き寄せるのは、だれにでも享受できる「できあいの意味」ではなく、解釈に抵抗し、解釈を逃れ、解釈への欲望を起動する怪しげな「鈍い意味」である。観客は「だれにでもわかる意味」にではなく、「身銭を切って解釈しなければいけない意味」に金を払うのである。(II「ロラン・バルト」より)

ソシュール、バルト、フーコー、レヴィ=ストロース、ラカン、サイードの各思想を要領よく整理した概要書。著者の言葉を借りれば、それぞれの“決めのフレーズ”を、丁寧な解説付きでまとめてくれたありがたい本である。この種の思想書は通常高価なので、「何千円も払った揚げ句に何一つ理解できなかったら・・・」と買うのを躊躇いがちだが、こいつは430頁で1000円。中味が理解できずとも、これで束の間知的な気分が味わえるなら安いものさと衝動買いしてしまった。
で、中味については、理解度6割ってところか。ただ読書好きが嵌りがちな陥穽と、文章を生業とするものが根っこの部分で理解すべきことを改めて考えさせられた。要するに、まずは言葉にしなきゃ伝わらんけど、言葉では正確に伝えきれないし、言葉にされたものを読んだからといって全て分かったような気になるな、ということ。(わかるかなあ?)。

私たちが愛する人から聴きたいことばは、「あなたのすべてを理解した」ではなく、「もっとあなたを理解したい」である。コミュニケーションを継続する促しのことば、さらに語り続けることを励起するような問いかけのことば、私たちはそのようなことばをもっとも強く欲望している。(「新書判のためのあとがき」より)

(2004/11/28更新)
内田樹のその他の本:「寝ながら学べる構造主義」

 
       

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