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クリスマスのフロスト
R.D.ウィングフィールド著/芹澤 恵訳
「わかるんじゃない。感じるんだよ」
クライヴは鼻を鳴らした。「お得意の直感ってやつですか?」
「そうさ、坊や。おれのお得意の、根拠もへったくれもない直感だよ・・・」(「火曜日3」より)
何かの書評で少し前に紹介されていたので気にかかっていたところ、復活書房で3作まとめて480円だったので即座に購入した。「クリスマスのフロスト」「フロスト日和」と一気に読破し、只今「夜のフロスト」を読んでいる最中である。
刑事コロンボを下品で、お喋りで、分裂症にしたような、冴えないが味のあるジャック・フロスト警部が主人公。そして脇を固める登場人物が揃いも揃って俗物ばかり、カッコいい登場人物が一人もいないのが妙にリアルだ。
複数の事件が時間差攻撃のように次々と発生し、それを刑事が追いかけていく小説をモジュラー型警察小説と呼ぶらしいが、輻輳する物語に混乱させられることなくスムーズに読み進められるのは、現役の脚本家でもある著者の力量がなせる技だろうか。本国イギリスではTVドラマ化される程の人気で、日本語の字幕入DVDも出ているようなので、機会があれば見てみたい。
フロストは吸いかけの煙草を車の灰皿で揉み消し、天井を見上げた。「でもって、何を言いたいかというとだ、おれがへまをするのは、女房の死を悼んで悲しみにくれてるからじゃないってことだ。おれは生まれつきへまな人間で、このへまさ加減は死んでも直りそうにないってことだ」(「水曜日4」より)
(2004/12/4更新)
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