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ニッポン全国酒紀行
酔っぱライター飲み倒れの旅
江口まゆみ
3つのテーブルに6種類ずつ、合計18種類の純米酒が並ぶ。それぞれに、ラベルのある瓶と番号だけの瓶があり、「全部飲み比べて銘柄と番号を一致させよ」というのが課題なのだ。私は、純米酒ばかり18種類もの酒を、どうやって一致させるのか、と頭をかかえてしまった。・・・(中略)この大会で、松崎さんはみごとパーフェクトをとり、24回目の名人となったのだ。まさに神業である。(「きき酒修業」より)
不肖私もこの松崎氏と同じ会で2回名人となり、昨年は幸運にも関西地区で初のパーフェクトを達成したが、24回ともなると気が遠くなる。年2回開催の東京と違って大阪は年1回だけなので、最低あと22年かかる計算だ(おまけに毎回全問正解できる保証もない)。
きき酒は通常、口に含んで香りや味を利いた後にペッと吐き出すが、私は酒には卑しい性分なので口に入った酒は全部飲み干す。だからマジできき酒する場合は、香りに頼って極力飲まない。でないと舌は麻痺するわ頭はボーっとするわで後々キツくなるからだ。パーフェクト達成も、18種のうち約3分の1はあえて香りだけで判断し、飲むのを我慢したおかげだ。
さて本書は日本酒は勿論のこと、陶陶酒からホッピーまで国内のあらゆる酒の造り手を訪ね歩いた軽いタッチの取材記。著者は、“酔っぱライター”として国内外を飲み歩いている有名な存在だが、写真で見る限り美形なので、「大酒のみで文章が書ける美人」というユニークなポジショニングに成功している。
松崎さんは、「きき酒は才能ではない」と言い切る。なるべくいろいろな種類の酒を飲み、飲んだらメモをとる習慣をつければ、誰でもできるようになるという。ただし、自分の言葉で味や香りを言い表せる「表現力」と、メモを見ればその酒が思い出せる「記憶力」は必要不可欠だ。(「きき酒修業」より)
(2004/12/9更新)
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