酒本舗
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十二月の酒と本(二)

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天法

天法(長野)
純米
1800ml/2835円


平成9年、酒に関して素人同然だった武田社長が休眠蔵を買い取り、静岡の銘酒「磯自慢」を一躍有名にした名杜氏・瀬川博忠氏を偶然迎えたことから、「天法」の伝説は始まった。何せ瀬川杜氏が造るという話だけで、初年度の仕込前から予約が殺到したというのはこの世界では有名な話だ。私の場合はたまたまその初年度、何も知らずに「天法」純米吟醸を入手する機会があり、まさに「掘り出し物」という感じで周囲の酒好きに宣伝しまくった記憶がある。
さてこの純米は、味付けの濃い料理に負けないコクと幅を持ちながらも、飲んだ後にスーッと引いていく品の良い後味が特徴。しっかりとした酒を飲んでいるという満足感を得ながらも、何杯でも飽きずにぐいぐい飲れる完成度の高い酒である。

ニッポン全国酒紀行

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酔っぱライター飲み倒れの旅
江口まゆみ

3つのテーブルに6種類ずつ、合計18種類の純米酒が並ぶ。それぞれに、ラベルのある瓶と番号だけの瓶があり、「全部飲み比べて銘柄と番号を一致させよ」というのが課題なのだ。私は、純米酒ばかり18種類もの酒を、どうやって一致させるのか、と頭をかかえてしまった。・・・(中略)この大会で、松崎さんはみごとパーフェクトをとり、24回目の名人となったのだ。まさに神業である。(「きき酒修業」より)

不肖私もこの松崎氏と同じ会で2回名人となり、昨年は幸運にも関西地区で初のパーフェクトを達成したが、24回ともなると気が遠くなる。年2回開催の東京と違って大阪は年1回だけなので、最低あと22年かかる計算だ(おまけに毎回全問正解できる保証もない)。
きき酒は通常、口に含んで香りや味を利いた後にペッと吐き出すが、私は酒には卑しい性分なので口に入った酒は全部飲み干す。だからマジできき酒する場合は、香りに頼って極力飲まない。でないと舌は麻痺するわ頭はボーっとするわで後々キツくなるからだ。パーフェクト達成も、18種のうち約3分の1はあえて香りだけで判断し、飲むのを我慢したおかげだ。
さて本書は日本酒は勿論のこと、陶陶酒からホッピーまで国内のあらゆる酒の造り手を訪ね歩いた軽いタッチの取材記。著者は、“酔っぱライター”として国内外を飲み歩いている有名な存在だが、写真で見る限り美形なので、「大酒のみで文章が書ける美人」というユニークなポジショニングに成功している。

松崎さんは、「きき酒は才能ではない」と言い切る。なるべくいろいろな種類の酒を飲み、飲んだらメモをとる習慣をつければ、誰でもできるようになるという。ただし、自分の言葉で味や香りを言い表せる「表現力」と、メモを見ればその酒が思い出せる「記憶力」は必要不可欠だ。(「きき酒修業」より)

(2004/12/9更新)

 
       

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