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喜多屋(福岡)
大吟醸しずく搾り
720ml/2600円
九州出張時に博多駅構内の酒販店で購入。「酒を通して多くの喜びを伝えたい」という志が喜多屋の屋号の由来とか。
「しずく搾り」とは酒袋にもろみを入れ重力だけで搾るやり方。圧力をかけない分より澄んだ酒が生まれるが、手間と時間がかかる。喜多屋ではすべての酒をこの方法で搾っているとのこと。
香りはフルーティで華やか。飲み口はコクがあってかつすっきりとした辛口。後味にやや苦味が残るものの、全体にキレが良くバランスの取れた、きれいな味わいの大吟醸である。
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陰摩羅鬼の瑕・百器徒然袋 風
京極夏彦
お会い出来て光栄ですと云って、京極堂は折り目正しく礼をした。伯爵は明らかに戸惑い、それから頭をお上げくださいと云った。
「貴方はーー」
「僕は憑物落としの拝み屋ですーーと、京極堂は低く通る声で言った。(陰摩羅鬼の瑕「12」)
出張続きで、分厚い京極堂シリーズを読むには絶好の状況だったため、2作を連続読破。「陰摩羅鬼の瑕」はシリーズ本編の最新作で、例によって役に立たない蘊蓄のオンパレード。今回は儒教と林羅山の話題がたっぷり語られている。ストーリーはシリーズ中で最もシンプルだが、読後感は軽くない。但し論理的にこいつ以外に殺人は犯せない、という登場人物が結局犯人なので、ミステリーとしてはちょっと・・・。謎解きは二の次、純粋に登場人物たちの活躍に浸りつつ、分厚い頁を読破する快感に浸るのが正しい愉しみ方だ。「百器ー」の方は短編3つによるシリーズ番外編。最後の最後に人間味ある榎さんの“本性”と、それを十分理解している京極堂のセリフが興味深い。
なおこの7月に、シリーズ第一作の「姑獲鳥の夏」が、中禅寺秋彦(京極堂)ー堤真一、榎木津礼二郎ー阿部寛、関口巽ー永瀬正敏etc.の配役で映画化される。まさに“掟破りの”ミステリーがどう映像化されるのか、こちらも楽しみだ。
探偵ーー榎木津礼二郎。
眉目秀麗にして腕力最強。上流にして高学歴。破天荒にして非常識。豪放磊落にして天衣無縫。世の中の常識が十割通じない、怖いものなどひとつもない、他人の名前を覚えない、他人を見たら下僕と思うーー調査も操作も推理もしない、天下無敵の薔薇十字探偵。
彼への賛辞ーー悪罵ではないーーは、枚挙に暇がない。(百器徒然袋 風「2」)
(2005/1/23更新)
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