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飛露喜(福島)
特別純米無濾過生原酒
1800ml/2430円
この時期になると、「そろそろ飛露喜が入る時期だなあ」と心待ちにする。去年は比較的軽めの「初しぼり特別純米かすみざけ」だったが、今年は定番とも云える「特別純米無濾過生」を入手。味に幅と膨らみとコクがある飛露喜ならではの味わいは今年も健在。毎年ストライクゾーンをきっちり通してくる辺りはさすがだ。
冷やして旨いのはもちろんだが、ぬる燗や上燗で飲むと後味が柔らかくなり、これまた旨かった。飛露喜をわざわざ温めて飲むヤツも少なかろうが、やってみると意外な発見があるので、他の無濾過生でも臆せずいろいろ試してやろうと思う。
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遊撃隊始末
中村彰彦
八郎の右腕は疲れを知らず、刀の柄が血に濡れほとびていることにも気づかない。この間、八郎の胸にあるのは、
(おいらはまだ、こんなにやれる。こんなに戦えるんだ)
という、高笑いしたいような思いのみであった。(第九章「五稜郭の苔とならん」より)
最後の最後まで明治新政府を敵に回して戦い抜いた、伊庭八郎、林昌之助、人見勝太郎率いる「遊撃隊」の発足から最期迄を描き切った作品。「池田屋事件」の時のように華やかな上げ潮の時期を持つ新選組とは違い、遊撃隊の場合は発足当初から悲劇的色彩が色濃く、ひたすら死に場所を求めて戦う姿は痛々しく、哀しさに満ちている。にもかかわらず、ここに描かれている個々の人間模様自体は常に前向きで、粋で、男臭い。リアリティのある緻密なディテールの書き込みと、子母澤寛の作品を彷彿とさせる粋な科白回しが印象的。
「そうか。近藤さんも縄目の恥辱を受けたあげくに斬首されちまったし、かつておれとは悪所通いの仲間だった伊庭八郎も、もう虫の息だ。明日はいっちょう、生き残ったおのしとおれが、最後のいくさとはどういうものかを官賊どもに見せつけてやろうじゃねえか」
「うむ、是が非でもな」
勝太郎がうなすいて盃を返すと、土方はうれしそうに笑って悠然とそれを干した。(第九章「五稜郭の苔とならん」より)
(2005/1/30更新)
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