酒本舗
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二月の酒と本(一)

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最近飲んだ酒 近頃読んだ本
美禄

美禄 菊御代(和歌山)
大吟醸
720ml/2500円


「菊御代」は、「黒牛」でなじみ深い名手酒造店が最も長く使っている基本銘柄。仕事絡みで和歌山に行った際、駅構内にあるショッピングセンターの酒屋で見かけてついつい購入した。
いわゆる典型的な“味吟醸”タイプ。芳醇な辛口で味わいもしっかりと感じるが、尾を引かないきれいな飲み口が特徴。コシはあるがスッキリ系なので料理にも合わせやすく、そのままアテなしでも結構いけてしまう。黒牛を少し品良くすっきりとさせて、ストライクゾーンをちょっとだけ広げたような感覚か。

完本居酒屋大全

 

完本居酒屋大全
太田和彦

太田 カウンターで男ひとり、バーボンをなめてる、ってのはアメリカンハードボイルドの典型だが。
秋元 小説や映画に出てくる。
日野原 うん。それでね、若い頃やってみたんだ。これがつらい。シーンとして重苦しい。タバコ吸い終わるとやることがない。ガブガブ飲むわけにもいかないし。
(第一章「正しい居酒屋とは」より)

つい数年前までは、誰かと一緒でなければ酒場に行けなかった。カウンターにいても何となく間が持たないので、つい杯を重ねたり煙草の本数が増えたり、安らぐつもりがどうにも落ち着かない。根が日本酒好きなので、オネエちゃんが水割りしか作れない様な店に行く気もない。で、結局旨い酒でも買って家で呑もう、となりがちである。
ただ歳を重ねると人間ずうずうしくなるのだろう、近頃は一人で呑むのが楽しい。誰に気を遣うでもなく、議論を吹っかけられる心配もない。食べたくないものは注文しなくていいし、懐具合に見合った飲み方ができる。もちろん旨い酒とそこそこ以上の肴があり、値段はお手頃、気の利く店主がいて、メニューにない美酒をこっそり出してくれたら尚の事良い。

主人は黙って働いている。客も静かに酒を飲んでいる。肴は酒の友として申し分ない。何ものにもわずらわされず酒の世界に浸っていけるこの雰囲気は素晴しい。最高の居酒屋で飲んでいるという、静かで充実した幸福感がわいてきた。
壁の柱時計が、ぼおーんと鳴った。
(第五章「究極の居酒屋」より)

(2005/2/4更新)

 
       

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