酒本舗
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三月の酒と本(四)

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最近飲んだ酒 近頃読んだ本
立山

立山(富山)
吟醸
1800ml/3060円


富山を代表する銘柄の一つ。一口飲んでそのまろやかさに驚いた。水とアルコールの分子がほぼ完璧に融け合った感じで、角がない酒というのは、まさにこういう飲み口を指すのだろう。よほど寝かせ方が良かったのか、毎年全ての立山吟醸がこうなのか、再度別の機会に試してみたい。
味の方は一言で云うなら、程よい吟醸香を持つ軽快な辛口。この時の肴は、良く脂の乗ったまぐろのかま焼と、漁が解禁されたばかりの、いかなごの新子おろし等。

華栄の丘

華栄の丘
宮城谷昌光著

出目と太鼓腹という特徴をもったこの男の外貌はどうみても貧弱ではなく、さらに貴族であることをあらわす衣冠をつければ、大いにたよりがいのある容姿が出現するということになる。この男の氏名は、
「華元」
という。宋の国の大夫である。
(「天の章」より)


中国の春秋時代、当時大国だった楚と晋のはざまで苦しみながらも、詐術に頼ることなく礼節を重んじ、自らの信念のままに乱世を生き抜いた小国・宋の名宰相、華元の生涯をさわやかに描いた古代王朝譚。
やたらと難しい漢字や熟語ばかり出てきて、ちょっと読んでて疲れるなあというのが、初期の著者の作品を数冊読んで感じた私の率直な感想であった。ただ今回、「司馬遼太郎賞」を受賞したという本作品をたまたま読んだところ、難解な漢字や熟語表現満開の宮城谷ワールドは相変わらず健在だが、随分と読みやすくなった印象がある。もともと好きなジャンルだし、これならもっと読んでみようか、という気にさせられた。
漢字の勉強にもなるし・・。

長い籠城戦であった。
文公が荘王に屈したというかたちをみせずに、この戦いを終わらせたのは、華元の殊勲であろう。けっきょく宋は晋との盟約を破棄し、楚の盟下にはいったが、諸侯は援軍をださなかった晋に不実を感じ、宋の信義に驚嘆した。
ーーこういう国があったのか。
(「華の章」より)


(2005/3/14更新)

*宮城谷昌光のその他の本:
楽毅

 
梅乃宿

梅乃宿(奈良)
袋吊り純米大吟醸 雫 山田錦
1800ml/8148円


特Aの山田錦を40%以下まで磨いて仕込んだもろみを、酒袋に詰めて吊るし、酒の自重だけで滴り落ちた「雫」を瓶詰めした純米大吟醸の生原酒。ふわっと品の良い上立ち香を楽しみつつ口に含むと、まだ若く熟し切ってないメロンかパパイヤ系の果実を彷彿させる、微かな含み香と甘味が広がる。きれいな中にもしっかり旨味があり、後味の余韻も絶妙。ふだん飲むことの少ない価格帯の酒だが、これなら値打ちがある。
肴は蛍烏賊の芥子味噌和え、のれそれ(太刀魚の稚魚)ポン酢と、甘鯛の唐揚げ等。

   

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