酒本舗
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五月の酒と本(一)

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最近飲んだ酒 近頃読んだ本
伏見の龍馬

伏見の龍馬(京都)
吟醸
720ml/1080円


京都・伏見にある黄桜酒造の直営店「キザクラカッパカントリー」で限定発売されている吟醸酒。同店から歩いてすぐの場所には、龍馬の定宿であり恋人お龍との逢瀬の場でもあった「寺田屋」が、今も現役の旅館として健在である。
さて肝心の「伏見の龍馬」。一見した所いかにも観光客相手の銘柄なので、実のところほとんど期待せず、話のネタに飲んでみようかという軽い気持ちだったが、これがなかなか、食中酒としては存外悪くない。香り穏やかで味わいすっきり、喉越しまろやか。龍馬の名を冠する限りはもう少し骨太で男っぽい酒であってほしい気もするが、伏見と言えば「女酒」、これくらいが丁度良いのかも知れない。

侍はこわい

 

侍はこわい
司馬遼太郎

「ご寮人さん。申しわけないが、わいのは恋やない。好色や。せやけお、わいはこの好色の道に生涯を賭けてるでえ」
「ああ気儘人・・・・」
「そうや、この稼業がわかったか」
(「庄兵衛稲荷」より)

司馬さんが亡くなってはや9年。もう新作は読めないと諦めていたところに、昭和三十年代から四十年代にかけての、雑誌で発表されたまま書籍になっていなかった短編集がこうして文庫本として刊行された。ファンとしてはまさにうれしい限り。それもなぜ今まで書籍にしなかったのだろう、と不思議に思わせる程の秀作ばかりだ。時代的にも、司馬さんが直木賞を取った前後の、作家として上昇気流に乗りつつあった時期の作品であるから尚の事興味深いし、上方を舞台にした作品がいくつか含まれているのもうれしい限り。
来年のNHK大河ドラマも、山内一豊夫婦を描いた司馬さんの「功名が辻」に決まったことだし、ここらで久々に、若い頃読んだ数々の名作を読み返してみようかなあ、と思ったりもする。

「だいじなことを忘れていた。きいているだろうが、おれはこんど近藤周助先生の御養子になった。名も勝太じゃねえ」
「なんというの」
おえいは、別に興味はなかったが、はなしのついで、といった気持で訊いた。
「近藤勇というんだ」
(「だたいま十六歳」より)

(2005/5/2更新)
*司馬遼太郎のその他の本:
大盗禅師/城をとる話
宮本武蔵
新選組血風録
以下、無用のことながら
義経

 
       

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