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コピーのぜんぶ〜仲畑貴志全コピー集
仲畑貴志 著(宣伝会議 編)
たとえば事務所に入りたいという若者が突然訪れて「何でもするから入れてくれ、田舎から飛び出して来たから、もう帰れない」などと迫られるともうダメで、こうしてスタッフになった人間が今も数人いる。「エッセイ集」より)
新卒採用に関わる仕事をしていると、自分の就職活動時代を思い出すことが多い。当時は制作業界に身を置くなどとは夢にも思わず、貿易会社にでも勤めるつもりだった。それがひょんな事から小さな広告代理店を紹介され、生涯唯一の会社訪問で即入社を決めた。で、最初は液晶で有名な家電メーカーS社の営業担当だったが、外注していたコピーの出来にクレームが頻発したため、「人の書いたコピーで怒られる位なら自分で書かせてくれ」と上司にお願いしたのが、コピーを書き始めた発端であった。
やがて程なく、私にコピーライティングの手ほどきをして下さった上司が亡くなったため、書店で一流コピーライターの作品集を買い込み、気に入ったコピーを書き写しながら独学で勉強した。その中で最も心惹かれたのが、仲畑貴志。サントリー角瓶シリーズをはじめとする名作を何度も読み返した。
もう一度あの頃に戻って就職活動をし直せるのなら、ゼッタイ「仲畑広告制作所」に押しかけて、一からきちんとコピーの書き方を学んでみたい。
「コピーはあくまでも商業活動のなかの表現である。自己表現ではない。したがって、作者の思いや心情とは、決然と隔離すべきである。」とかなんとかエラそうに、後輩の前で演説していたのが、これはちょいとちがうぞと思った。商業活動のなかの表現ではあるけれど、ヒトのこころに訴える力という点で見れば、ラブレターと変わらないわけで、そこには必然的に想いの深さや熱さが重要になってくる。(「エッセイ集」より)
(2005/5/26更新)
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