酒本舗
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八月の酒と本(一)

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最近飲んだ酒 近頃読んだ本
西の関

西の関(大分)
活き活きしぼり生酒/特別本醸造
720ml/1000円


明治6(1873)年創業・大分の萱島酒造が正月に搾り上げた、米の風味が豊かなしっかりした旨味を持つ特別本醸造。新春の風物詩として毎年1〜3月に新酒として出荷されており、今年で発売25周年になるという。
さて今回飲んだヤツは、中津の立ち呑み「おおにし」の冷蔵庫の奥に半年近く寝かされていたもの。新酒のフレッシュ感はそのままに、どっしりと味が乗った飲み応えのあるフルボディの酒に成長していた。

日輪の果て

 

日輪の果て
ロバート・ゴダード著/成川裕子訳

「じゃあ、誰が電話したんだ?」
「わからない。そのことは、ディヴィッドとわたししか知らないのよ、ハリー。問題はそこなの」
「知らないっていうのは、ぼくがディヴィッドの父親だってことをか?」
長い沈黙があったが、ハリーは断固として口を開かなかった。やがて、アイリスが言った。「そう」
(上巻/第4章より)


「蒼穹のかなたへ」の主人公、くたびれた中年男のハリー・バーネットを再度主人公に据えた作品。といっても続編ではなく、作品自体に何のつながりもないし、前作を読もうが読むまいが作品鑑賞には全く影響はない。
そして残念ながら、面白さや作品の質、レベルは前作より格段に落ちる。コダードならではの重厚で、精緻で、凝りに凝ったいつもの作風とは違い、設定もプロットも結論も、全てにおいて「・・・・」といった感じ。同じ作家の、同じ主人公を据えた作品とは思えない程の落差を感じた。期待が大きい分だけ、外した時の落胆は大きい。

ハリーはそこに長いこと坐り、ビールをすすり、煙草を吸いながら、不毛に羅列された文字を見つめていた。これらは何を意味するのだろう。いったい、結局はどういうことになるのだろう。ハリーは煙草の煙を見、暗闇を見、まわりのほのぐらい明かりを見た。窓に映った自分の顔を、背後のバーで動いている人々を見た。見て、見て、なおも見たが、何も見えてはこなかった。(下巻/第58章より)

(2005/8/1更新)

 
       

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