| 名将たちの戦争学
松村劭
チーム・ワークの思想の奥にある考え方は、それぞれ「一匹狼」である個人が、自分独自の戦い方をしながら、他人の戦い方と連係プレーするということだ。各プレーヤーは個人の責任において摩擦を克服するから、チームはしたたかに戦う。(第1章「戦争はなぜ起きるのか」より)
ビジネスの現場を戦場と規定するなら、そこで勝ち抜いて行くには的確な「戦略」と「戦術」が欠かせない。特に小規模かつ限定的な戦力で、大規模な相手との競争に勝利するためには、相手の土俵で全面戦争を仕掛けられては到底勝ち目はない。自分たちの武器(強み)が最大限効果を発揮する状況を創出すべく、戦略と戦術を練り、準備を整え、相手を局地戦へと慎重に誘い込むことで、初めて勝機を見出せるのである。
「戦略とは、われにとって、できるかぎり有利な時と場所での戦闘を整え、敵にとって不利な状況において、敵に戦闘を強要することである」(「The Art of Modern Warfare」Hermann Foertsch, Oskar Piest)という言葉通り、いかに自分たちの土俵に相手を乗せ、自分たちの得意な武器での戦いに持ち込むかがポイントだ。
要は、ボブサップと殴り合ったら到底勝ち目はないが、指相撲なら勝機はあるし、ジャンケンなら五分五分、日本語での口喧嘩なら勝てるだろう、ということ。
勝敗の山場(軍事用語では勝敗分岐点)が見えずに戦い続ける指揮官は、冷静な判断力を失っていて、「強制的な戦闘中止」に追い込まれる。
どんなに熾烈な戦闘にあっても、戦局の形勢を冷静に見詰めていられる精神構造は、「平常心」に他ならない。よい戦士とは、どんな状況でも普段と同じようにクールな男たちである。(第7章「指導者・将校・兵士」より)
(2005/9/27更新) |