酒本舗

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二月の酒と本(三)

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最近飲んだ酒 近頃読んだ本
能古見

能古見(佐賀)
純米吟醸
720ml/1732円


寛政7年(1795年)創業の蔵元・馬場酒造場は、主銘柄「芳薫」で知られており、この「能古見」(のこみ)は上級酒の位置付け。
低農薬契約栽培の地元鹿島産山田錦を50%まで磨き、多良岳山系の地下水で醸した、高いレベルでバランスの取れた酒。フルーティな香りと飲み口で口当たりも良く、味は甘すぎず辛すぎず、濃すぎず淡すぎず、まろやかさの中にも適度な主張があって、綺麗でありながらしっかり豊かな旨味が乗っている。

世界の名探偵コレクション10 フィリップ・マーロウ

 

世界の名探偵コレクション10 フィリップ・マーロウ
レイモンド・チャンドラー

「ぼくの名はフィリップ・マーロウ」とわたしはいった。「僕は顔に血がついてるのが好きなんだ。きみはこんな事件にまきぞえにされるのは迷惑にちがいない。ぼくはきみの名なんか、ひとことも出さないよ」
「わたしは孤児よ、一人きりで住んでいるの。そんなお心づかいはぜんぜん必要ないわ」と、彼女はいった。
(「碧い玉2 お客をしくじる」より)


チャンドラーがフィリップ・マーロウを初登場させた「大いなる眠り」で長編デビューする前の、1930年代半ば頃の作品を3点集めた中編集。本書収録作を含めたこの時期の中編においては、主人公の探偵の名はジョン・マロリー、ジョン・ダルマス、カーマディなどとなっていたが、後日刊行された随想集で作者自身が「これらはみなマーロウの若き日を描いたもの」と述べているため、そうした趣旨での編集となっている。正直ストーリー展開は少々分かりづらく、かつご都合主義的。血なまぐさいアクションも多く、マーロウもまだまだ“若い”せいか、お得意の気の利いたセリフも出ない。

「事件はぼくがもちこんだんです」と、わたしはいった。「つまり、その一部をね。あとはひとりでに発展しちまったんです。イザベル・スネアという娘がサン・アンジェロの自宅をとびだしたきり行方がしれず、最近になって、彼女の飼い犬のすがたをここで見かけたものがいるんです。ぼくは犬を発見したんですが、その犬を連れていた連中が、ぼくの口を封じるために一騒動おこしましてね」(「犬が好きだった男 6」より)


(2006/2/18更新)
*レイモンド・チャンドラーのその他の本
「大いなる眠り」
「長いお別れ」

 
三谷藤夫

三谷藤夫(京都)
山廃純米
1800ml/2520円


松竹梅・白壁蔵の三谷藤夫杜氏の名を冠し、五百万石を60%まで磨いて山廃酒母で仕込んだ純米酒の逸品。豊かな旨味とふくらみを保ちつつ、芳醇でキレのある酒質を実現している。
しっかりした味わいを持ちながらもぐいぐい飲めて、しかも飽きの来ないなかなかの酒。大手メーカーらしからぬイメージの出来栄えである。ちなみに肴はおぼろ豆腐、鶏の串焼きなど。

   

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