酒本舗

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三月の酒と本(二)

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清泉

清泉(新潟)
特別純米酒
720ml/1350円


浅葉克己氏のデザインによる斬新なラベルが目を惹く「清泉」は、「夏子の酒」のモデルであり舞台にもなった久須美酒造の主銘柄。蔵元のある三島郡和島村は、良寛禅師が晩年を過ごした地でもある。
「新潟の名水36選」にも選ばれた自家湧き水で醸したこの特別純米酒は、落ち着いた香りとまろやかな旨味が特徴で、飲み飽きない辛口タイプ。後味が良く、バランスの取れた味わいは酒飲みの定番酒といった趣を持つ。

鉄の絆

 

鉄の絆
ロバート・ゴダード著/越前敏弥訳

「あなたがどんな命令を受けているかはわかっています。だれに雇われたのかも。理由も知っていますが、おそらくあなたにはーー」
突然、時が尽きた。奇跡の利は失われた。彼は階段から彼女のもとへと一気に駆け寄り、手から懐中電灯をもぎとった。
(上巻第一部1より)


二週続きのゴダード。1999年刊行の旧作で、現代を舞台に、1930年代のスペイン内戦を絡ませながら繰り広げられる、ロマンスあり、アクションあり、ミステリーありの佳作。
プロットの面白さもさることながら、登場人物一人ひとりのキャラが立っており、特に後半の鍵を握るフランクという爺さんがGOOD。人間嫌いで扱いにくい偏屈老人だが、内戦時に友を殺した相手への復讐心を胸に秘めつつ、かつて愛した女性からの最後の願い事と、自分自身が定めた規範に従って行動する所がまさにハードボイルド。銃や車の扱いも手慣れたもので、何度も命のやりとりを重ねてきたせいか、ここ一番の腹の据わり方が筋金入りでカッコイイ!のである。

「その男をいますぐ放せ。さもないと撃つ」その瞬間、全員の動きが凍りついた。フランクはつづけた。「こけおどしではない。わたしはこれまで何人も殺してきた。ほとんどがスペイン人だ。あとひとり殺しても痛くもかゆくもない。はっきり言って、殺すのが楽しみだ。ぐずぐずされると、誘惑に勝てなくなる」(下巻第四部19より)


(2006/3/7更新)
*ロバート・ゴダードのその他の本:
蒼穹のかなたへ 千尋の闇
闇に浮かぶ絵 日輪の果て 最期の喝采

 
ばくれん

ばくれん(山形)
超辛口/吟醸
1800ml/2100円


「ばくれん」は全国でわずか十数店の特約酒販店でのみ販売される、銘酒「くどき上手」の裏アイテムとも言える酒。「すれっからしの女」とか「親の言う事を聞かず好き勝手している女」という意味の言葉らしい。何と日本酒度+20度の超辛口仕様であるが、恐々飲んでみたところ「ちょっと辛口かなあ」という程度で、ブラインドで試すとたぶん+20度とは感じないだろう。食中酒としても料理を邪魔せず、スパッと切れる感じが心地よい。ただし燗をつけるとさすがに辛さが前面に表れてくる感じ。

   

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