酒本舗

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三月の酒と本(四)

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太平山

太平山(秋田)
生もと純米
720ml/1050円


秋田県産の美山錦を59%精米し、蔵元独自の秋田流生もと造りで醸した純米酒。モンドセレクションで6年連続金賞という快挙を成し遂げた酒である。生もと造りの酒にしては重さはなく、程良い酸味があってクセがなく、軽快で後味が良く飲みやすい辛口タイプ。
ちなみに蔵元の小玉醸造は明治12年(1879)の創業で、元々は醤油・味噌の醸造からスタート。大正2年から酒造りにも着手し、それ以来「太平山」ブランドを世に送り出している。

龍馬(一)青雲篇

 

龍馬(一)青雲篇
津本陽

龍馬は異国の力を象徴する、不気味に黒い船体を眼前にして、身内の血が湧きかえるような昂りをおぼえた。
−−やつらは、戦をしかけにきよったか。安閑無事にゃおれんぞ−−
辺りがしだいに明るくなってきた。
(「黒船」より)


「竜馬がゆく」以来、本格的に坂本龍馬の生涯を描いた小説は久しく登場しなかった。その結果、坂本龍馬の人物造型は対抗馬を持たないまま、司馬遼太郎の描いた龍馬像に同一化している。そして今日の龍馬人気は、ひとえに「竜馬がゆく」によって形成されたものであり、この先も同書は、永遠の青春小説として読み継がれていくことだろう。
さてその国民的ベストセラーに対する本書の立ち位置はと言うと、架空の人物や事件が一切登場しない、史実に忠実な龍馬伝の創造ということになる。作者自身もあるインタビューで「僕は物語を作ることに、あまり興味がなくて、龍馬が実際にどのような動きをしたのかを調べていきました」と述べている位なので、しばらくは龍馬の生き様を正確にたどり直すことの楽しみを、全五巻の本書を通じてゆっくりと味わい尽くしたいものだ。
という訳で今回の「青雲篇」は、龍馬17歳のある夏の一日から、父・八平が亡くなる21歳の冬までの四年間が描かれており、江戸での剣術修行、黒船騒動などに彩られた眩しいばかりの“青い”龍馬が息づいている。

龍馬は財力も地位もないが、あり余る時間があった。彼は自分にいい聞かせた。
−−これから世間は変わってくる。しばらくは形勢を見ることじゃ。あわてちゃいかん。龍が雲を呼ぶにも、機をはからにゃいかんがじゃ−−
(「浦戸の月」より)


(2006/3/21更新)

 
       

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