酒本舗

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四月の酒と本(三)

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土佐鶴

土佐鶴(高知)
しぼりたて新酒
720ml/918円


「しぼりたて」と言っても火入れをした酒なので、とりたててフレッシュさは感じられず、逆に+5度の辛さとツンととがった印象だけが残った。しかし開栓してから一日置いただけで、あれっ?と思わせるような程良くマイルドな飲み口へ。この辺りが酒質の不安定な「しぼりたて」ならではの現象なのだろう。今回は幸い良い方に転んだのかも知れない。
淡麗で切れ味の良い硬派な男酒である。

龍馬(五)流星篇

 

龍馬(五)流星篇
津本陽

龍馬は懐手をして、しばらく考えていたが、やがて顔をあげていった。
「よし、きまったぜよ」
「どげな名じゃ」
「海より援くじゃき、海援隊じゃ。慎やんは陸より援くじゃき、陸援隊としいや」
(「海援隊」より)


第一巻を読み始めてからちょうど1ヶ月が経ち、遂に最終巻を読み終えるに至った。海援隊の設立、いろは丸事件、イカルス号事件、最後の帰郷、大政奉還、そして運命の1867年11月15日、龍馬暗殺当夜の様子までが詳らかに描かれている。暗殺の状況は多くの書物やTVの歴史番組で繰り返し目にしているものの、約1800頁の長編を通じて龍馬の人生をたどり直した分、非業の結末に改めて心が痛む。満年齢で享年32歳。西郷らとは違って最後まで無血革命の目を探り続けた龍馬が、あと1年、いや半年でも長く生きながらえていたら、有為の人材の多くはムダな血を流さずに済み、明治維新はもう少し違う結末を迎えていたかも知れない。

龍馬は中岡とともに、新時代の扉をひらく先導者としてのはたらきを充分になしとげ、その結実を手中にすることなく、二個の流星のように宇宙のいずこかへ飛び去っていった。(「帰らぬ道を」より)


(2006/4/19更新)

 
       

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