| ドラッカーの遺言
ピーター・F・ドラッカー談/窪田恭子訳
たとえば私は、七〇年間にわたって部下を持ったことがありませんが、それは二〇代の半ばに自分が部下を持つことに向いていないと気づいたからです。・・・(中略)・・・人を管理し、マネージしていくことが下手だと認識できたために、早くから組織に属して働くことを止めたのです。(第6章「個人のイノベーション」より)
死の約3ヶ月前に行われたインタビューを元に構成された、ドラッカー氏の日本人に対する最期のメッセージ集。享年95歳ということでいつ亡くなってもおかしくはなかったのだが、もうこれで氏の新刊が読めないという事実に思い至ると、霧深い山中で突如羅針盤を失ったような心細さを禁じ得ない。
実際のところここ数年程は「ドラッカー氏かく語りき」という有難味だけで、著書の中に特段新たな発見があった訳ではない。ただ“かのドラッカー氏が発した言葉”というだけで、何を読んでも神のご託宣の如き絶対的安心感を得ることができた。
ますます混迷を深めるこれからの社会にあって、これ程までに絶対的存在感と説得力を示せる人物が今後現れ得るのだろうか。
「問題重視型」の思考に囚われるな。「機会重視型」の発想を持て。
現実における変化は、決して以前のものとは同じにならない。そして、机上で考える変化より先に現れる。(第4章「日本が進むべき道」より)
(2006/5/28更新)
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