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虎ノ門(京都)
本醸造
1800ml/????円
虎ノ門界隈の大衆居酒屋では「鈴傳」と並び称される名店「升本」でしか飲めない、オリジナルの本醸造。店での通称は「虎ノ門」だがラベルはなぜか「虎の御門」だ。まあ値段が値段(一合270円)なので、大して期待はせず話のタネにと注文してみたが、これが意外とすっきり飲みやすい淡麗中辛タイプだった。店員さんに頼んでラベルを見せてもらうと、「富翁」の銘で知られる伏見の北川本家で造られていることを知り、納得。
ちなみに肴は薄味の出汁が美味しい名物の「たこおでん」や鰯団子他いろいろ。機会があれば再度訪れたいお店だ。
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十時半睡事件帖
東海道をゆく
白石一郎
三太夫は肩を並べて歩き出した半睡と柏木のぶの二人の背中を睨みながら、
「まったくもう、手のつけられぬお人じゃわ」
と大きく舌打ちし、何やら怒ったように肩をひと揺りして歩きだした。 (絶筆)(「海の関所」より)
海洋歴史小説の地平を切り拓いた直木賞作家・白石一郎の遺作でもあり、TVドラマにもなった人気シリーズ「十時半睡事件帖」の最終作。迂闊にも2004年9月に著者が亡くなられていたことを忘れていたため、本作の最後で‘絶筆’の二文字が目に飛び込んで来た時は思わず軽い眩暈を覚え、「そうだった、白石一郎は亡くなってたんだ・・・」と暗澹たる気持ちになった。「海狼伝」「海王伝」を読んで以来の一ファンとしては、もう二度と新作が読めないという事実に、一抹の寂寥感を禁じ得ない。そして本作における半睡と、“薄倖の未亡人”柏木のぶの行く末も大いに気になるところだが、これまたどうしようもない。
「この世で会いがたい人に会えば、その出会いを愛でて慈しむことが大切じゃというに・・・・それがわからぬ」
「会いがたい人に会い、これがそのお人と察しられるものでございましょうか」
「わからぬなあ。人はみな心の垢で眼がくもっておる」(「さつた峠」より)
(2006/6/1更新)
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