酒本舗

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六月の酒と本(六)

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最近飲んだ酒 近頃読んだ本
十代目

十代目(石川)
純米大吟醸
720ml/2000円


加賀へ社員旅行に行った際に立ち寄った「大日盛酒蔵資料館」で購入。蔵元の橋本酒造は1760年創業の老舗で、江戸期には藩主をはじめ公家、高僧、文人墨客等の貴人が数多く立ち寄ったとか。現在は十代目が家督を継いでおり、今回の酒銘の由来となっている。
利き猪口に注ぐと薄黄色で、ほのかな吟醸香が立ち上る。やや辛口でしっかりと濃醇な味わい。後味には軽い渋さが感じられる。ちなみにラベルは、歌舞伎界の名優中村芝翫氏の直筆である。

影響力の武器

影響力の武器−なぜ、人は動かされるのか
ロバート・B・チャルディーニ著/社会行動研究会訳

私たちの文化の中では、大多数の人が、承諾を導く引き金特徴(どういう場合に要請に応じるのが正しく、また利益になるかを教えてくれるような一連の情報)をもつようになってきている。これらの特徴を(影響力の)武器のように遣って、人々を承諾するように導くことが可能である。(第1章「影響力の武器」より)

世の中にある「他人を思い通りに動かす法」といった類のハウツー書の原典と言うべき、社会心理学の名著。人が思わず動かされる6つの心理について、豊富な実例を元に分かりやすく解説している。
1)返報性:「お返ししなきゃ」という心理の利用
2)コミットメントと一貫性:一度表明した態度を貫こうとする心理の利用
3)社会的証明:社会的に証明された事柄こそ正しいと盲信する心理の利用
4)好意:類似性やお世辞で好意を抱かせる心理の利用
5)権威:権威に屈するよう導かれる心理の利用
6)希少性:数少ないものに価値を感じる心理の利用

いや〜この本を読まずしてよく今まで世の中を渡って来れたなあという程、心理的無防備さの危険性を思い知らされた。眼からウロコの、使われ方によってはかなり危険な一冊とも言えよう。

コミットメント(つまり、自分の意見を言ったり、立場を明確にすること)をしてしまうと、人はそのコミットメントに合致した要請に同意しやすくなる。したがって、多くの承諾誘導の専門家は、後で要請しようとしている行動と一貫するような立場を最初にとらせるように誘導するのである。(第3章「コミットメントと一貫性」より)


(2006/6/25更新)

 
歓びの泉

歓びの泉(岡山)
本醸造
1800ml/1840円


先頃「加納亭」にて「歓びの泉」の横坂杜氏と飲む会があり、純米大吟醸中汲み「極至」を含む主要商品を、杜氏の説明付きで味わうという贅沢な機会に恵まれた。特に米(山田錦・雄町・朝日)以外は酵母も造りも同じという純米酒袋吊りの水平試飲や、雄町を軸に造りだけを変えた垂直試飲(純米・純米吟醸・純米大吟醸)は、自らの舌を試す興味深い体験であった。
で、ここではあえて「本醸造」を取り上げる。飲み口は柔らか、味わいに芯があって後味の余韻も心地よい。こうした飲み会に、大吟クラスだけでなく普段使いの本醸クラスまで揃えてさりげなく飲ませる辺りに、横坂杜氏の自信と心意気を感じた。

   

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