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酒呑童子(山口)
ひょうたんからこま・あらばしり
720ml/1050円
京都府宮津市にあるハクレイ酒造が、山田錦の規格外の米だけを使って造ったあらばしり。規格外米とは言え“酒米の王者”山田錦を使って丁寧に仕込んでいるので、価格を考えるとコストパフォーマンスは抜群。杜氏自身が予想以上の出来栄えに思わず洩らした「ひょうたんからこま」が、そのまま商品名になったそうな。
味わいはあっさりとしたフレッシュな辛口タイプで、個人的な好みで言えばもう少しコクとボディが欲しいところ。少し味に変化を持たせようと、開栓後わざと常温で放置してみたが、生酒なのに味の変質がなく、造りの確かさを実感した次第。
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天下騒乱
−鍵屋の辻
池宮彰一郎
「そこで権現様と、豊家の石田三成が思いついたのだ。天下を二分してもう一遍、戦するしかない。勝った方は敗者の領国を分け取りにしてふとる。ふとった奴原に天下人は城普請・町造りなどの課役を申し付ける。奴らが普請作事に費う金は農・工・商に廻って、暮らしを助ける。物余りの世に金が出廻って、戦景気は泰平の世にふんわり移る・・・・」(上巻「一張一弛」より)
日本三大仇討ちの一つと言われる「鍵屋の辻」の決闘を、肉体と肉体の個人的争闘ではなく、著者の出世作「四十七人の刺客」同様一つの“合戦”的視点で描いた作品。戦国の荒い気風がわずかに残る三代将軍家光の時代に、ホモセクシャルな横恋慕から引き起こされた刃傷沙汰が、旗本対外様大名の意地の張り合いへと発展、そこに戦国のカオス状態から泰平の世へのソフトランディングに心を砕く家康の隠し子・老中土井利勝の政治的思惑が絡むという、池宮作品らしい奥行きのあるストーリーである。
荒木又右衛門については名前こそ聞いたことはあったが、この仇討ちの結末や又右衛門の運命について全く知識がなかったため、最後の“結末=身の処し方”までを興味深く読み通すことができた。さすがにこの人の作品にはハズレがない。
「河合又五郎、みごとなり。よくぞ戦った」
又右衛門の手向けの言葉に、又五郎はかすかな微笑を浮かべると、ゆらり揺らいでばたりと前に突っ伏した。午後の日を受けて乱れた髪が光った。
「数馬!止めを!」(下巻「決戦」より)
(2006/7/30更新)
*池宮彰一郎のその他の本:
本能寺 平家
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