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駿(福岡)
純米吟醸
1800ml/3045円
明治26年創業の蔵元(株)いそのさわ(磯の澤)の別ブランドで、全国で60軒の特約酒販店にしか販売していない限定銘柄。地下50mから汲み上げた耳納山系伏流水で仕込んでいる。
程良く豊かな上立ち香を持ち、綺麗で透明感のある爽やかな口当たり。そして香りのイメージに反して味わいはキレの良い中辛で、繊細な中にも芯の強さが感じられる。ちなみに肴は鱧のフライ、あんかけ茶碗蒸し、鰯のつみれ(おでん)、海老パン(おでん)など。
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生きて候
安部龍太郎
政重は切れ長の目をひんむいて相手をにらみつけ、槍の穂先を腹に当てられたまま足を踏みだした。
凄まじい殺気に気圧された足軽たちは槍を構えたまま後ずさり、物も言わずに道を空けた。(第二章「地を叩きて慟哭す」より)
いくら忙しくても何とか暇を見つけて本を読んできたが、さすがにここ数週間は読書に浸る精神的余裕がない。ただこんな風に仕事に追われている時こそ、現世を離れ束の間時代小説に耽溺するのが良かろうと、たまたま古書店で目に付いた本書を手に取った。
主人公の倉橋長五郎政重は実在の人物で、徳川家康の右腕と言われた本多正信の次男に生まれながら、二代目将軍となる徳川秀忠の近習を斬り殺して出奔。途中朝鮮半島で慶長の役に身を投じるなど紆余曲折を経て、関ヶ原の戦いでは宇喜多秀家軍の先鋒となって徳川方と戦い、合戦後は秀家の助命に奔走した後、加賀藩の筆頭家老に迎えられ辣腕を振るった。まさに波乱の生涯である。金沢市の「藩老本多蔵品館」には政重の遺品などが展示されているらしく、もう少し早く本書を読んでいたら、先頃の金沢行の際に立ち寄れたのにと、少々悔しい思いをしている。
正純が勝ち誇った笑い声を上げた瞬間、政重の脇差が一閃した。
陣笠をはね飛ばし、返す刀で髷を両断すると、政重はぱちりと音を立てて刀身を納めた。
「あなたのせいで、多くの者たちが死んだ。笑いながら引き上げるとは、虫がよ過ぎませんか」(第十三章「義に殉ずるは」より)
(2006/8/15更新)
*安部龍太郎のその他の本:「海神−孫太郎漂流記」「神々に告ぐ」
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