酒本舗

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十月の酒と本(一)

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紅葉姫

紅葉姫(京都)
特別純米酒ひやおろし
720ml/1400円


家の近くの酒屋をふらりと訪れたら、ちょうど各蔵の「ひやおろし」がたまたま大量に入荷していたので、あれこれ楽しく悩みつつ購入したのがこの酒呑童子「紅葉姫」。蔵元は京都宮津のハクレイ酒造である。
利き猪口に注ぐと豊かな米の風味が口の中に広がる。度数が17〜18度と原酒並に濃厚な割には、ひやおろしならではのすっきり感も感じられる。一晩経つと更に旨味が乗っていい感じになったので、できれば一年ゆっくり寝かせてから飲んでみたいと思った。

大将論

大将論
池宮彰一郎

すべて「司馬史観」だけで固まってしまったら、歴史小説はそこでおしまいになる。・・・(中略)・・・私自身、身の程知らずとは思っていますが、歴史の見方にはいろいろあることを示す、これが司馬さんと同じ年である私の使命だと思ったのです。(「改革者『信長』にいま何を学ぶ」より)

当代屈指の人気歴史小説家が、「高杉晋作」「本能寺」「天下騒乱」「平家」等7つの自作をテーマに、総理大臣になる直前の小泉純一郎や作家の丸谷才一、井上ひさし、ジャーナリストの櫻井よしこ他と歴史人物論を繰り広げた対論集。全て知った作品ばかりなので、人物造型の裏話など興味深く読むことができた。
ただ池宮作品については、司馬遼太郎作品との類似性が物議を醸し、実際に一部作品(「島津奔る」「遁げろ家康」)が回収・絶版になっているらしい。類似箇所を逐一比較したサイトを見る限り池宮氏に分が悪いなと思わざるを得ないが、「司馬史観」の打破を強く意識する余り、いつしか池宮氏の頭の中で、司馬作品が小説ではなく歴史“文献”に変容していったのだろうか。

昔、司馬遼太郎さんと話し合ったとき、意見が一致したことがあります。それは、歴史は光の当て方で、全く様相が変わるということです。・・・(中略)・・・私は、司馬さんの影響を受けていますが、自分のドグマで光を当てて、人物を浮き上がらせるというやり方で歴史小説の分野をもう一度切り開こうと思いました。(「真の改革者とは」より)


(2006/10/1更新)

 
 
   

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