酒本舗

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十二月の酒と本(一)

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瑞鷹

瑞鷹(熊本)
純米酒
720ml/1050円


「熊本酵母」の生みの親でもある蔵元の瑞鷹(株)は、幕末の慶応3年創業。「瑞鷹」の酒銘は明治22年の元旦、初代当主が新春の光を蔵に入れようと酒蔵の戸を開けた時、雀を追った鷹が蔵の中に舞い込んで来たことから、それを瑞兆と考え「瑞鷹」と命名したとのこと。
さてこの純米酒。日本酒度+5のキリッとした、それでいて芯の太い辛口で、クセの少ない飲み口。味のしっかりした少し濃い目の料理に合わせたいタイプ。

風林火山

風林火山
井上靖

「晴信の一字を遣わす。以後勘助晴幸と名乗れ」
と言った。おそろしく気前のいい青年武将であった。勘助は黙って頭を下げた。
「御礼を申し上げるよう」
板垣信方が近寄って耳打ちした。勘助は頭を上げると、
「有難い仕合わせでございます。この上は早く城取りの合戦をいたしまして、御恩に報いたいと思います」
と抑揚のない声で言った。
(二章より)


来年の大河ドラマは「風林火山」。主役の山本勘助は、原作によれば「身長は五尺に充たず、色は黒く、眼はすがめで、しかも跛(ちんば)である。右の掌の中指を一本失っている。年齢は既に五十歳に近い」というかなり異相の軍師だが、その役を何と二枚目・内野聖陽が演ずる。まあ、山本勘助がどんな風貌の持ち主かを知る人は少ないから問題はなかろうが、かつて浜田雅功や武田鉄矢が坂本龍馬を演じたのに匹敵する位、イメージは違う。この配役の時点で、原作とはかなり違った内容になりそうな気配だ。
なお注目は、武田家の重臣・板垣信方役として、往年のアクションスター千葉真一が登場すること。近年は関根勤のものまねでしかお目にかかれなかったので、大いに楽しみにしている。

「月にいいだろうな、月に。毎年ここで観月の宴を張ることにしたらどうかな」
言われてみると、なるほど、この城から見る月明の夜の眺めはすばらしいものであろうと思われた。合戦とは凡そかけ離れた観月の宴のことを考えている信玄が、勘助にはやはり大きく頼もしく見えた。
(十一章より)


(2006/12/3更新)

 
 
   

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