酒本舗

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一月の酒と本(五)

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最近飲んだ酒 近頃読んだ本
醴泉

醴泉(岐阜)
純米吟醸・雄山錦
1800ml/2625円


「醴泉」(れいせん)の玉泉堂酒造は文化3年(1806)の創業。養老山脈からの伏流水で淡麗ながらコクのある酒を造っている。県内出荷銘柄の「玉菊」に対し、県外向けの銘柄がこの「醴泉」。今回飲んだ純米吟醸は原料米に富山産の「雄山錦」を使用しているが、大粒で心白が大きく、米の旨みがそのまま出やすい米と言われている。
さてお味の方は幅のある旨口タイプ。酸度は1.6とやや高めながら、微かな甘味が乗ってすこぶるバランスがよい。開栓して一ヶ月程かけてちびちびと空けていったが、造りがしっかりしているためだろうか、日毎に味が乗って旨さが増していく感じだ。

映像とは何だろうか

映像とは何だろうか
吉田直哉

〈映像化〉とは、割り符をつくり、その片方を所有してひとに示す作業なのではないか?
それは、現実というもう片方の存在を確かに予感させるときに、はじめて信頼できるものとなる。
(15「〈映像化〉とは何だろうか」より)


テレビ草創期に、ドキュメンタリー作りの草分け的存在として冒険的かつ大胆な番組作りを重ねた、NHKの元看板ディレクターによる番組制作の回想記&映像論。録画用のカメラが手動(15秒に1回)のぜんまい式で動いていた時代の、本物の侠客による迫力満点の賭場の撮影や、インドの悲惨なハンセン氏病患者用集落のロケ、近年まで長崎に現存していた「隠れキリシタン」の取材、デビュー間もない緒形拳を起用した昭和30年代のNHK大河ドラマ「太閤記」「源義経」の思い出など、ふだんあまり見聞きすることのない珍しいネタが満載の本。古き良き時代の「活動写真屋」を彷彿させる、「テレビ屋」の意気地と気概が全編に漂っている。こういう気骨のある人が今でもテレビ界の現場で睨みをきかせていれば、今回の「あるある大事典」のような姑息な捏造事件は起こり得なかったのかも知れない。

映像は、実体がないかもしれない。しかし、映像には、内に秘めた火があるのだ。
映像が内包する火は、心に点灯する。
心から心へ、さらに多くの心へ連鎖反応をおこして、思いもかけないドミノ現象となるから、映像はふしぎなのだ。
(16「心に火をつける」より)


(2007/1/25更新)

 
 
   

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