酒本舗

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一月の酒と本(六)

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苗加屋

苗加屋(富山)
純米吟醸無濾過生原酒
720ml/1496円


「苗加屋」(のうかや)は、蔵元である若鶴酒造の創業家の屋号。文久2年(1862年)の創業で、富山県の田園地帯に広がる散居村に囲まれ、北アルプス山系の伏流水で仕込んでいる。主銘柄は地元で「銀盤」「立山」と共に御三家と呼ばれ人気の高い「若鶴」。系列会社に「北陸コカコーラボトリング」を持つという変わり種の蔵でもある。
さてこの「苗加屋」純米吟醸無濾過生原酒は、山田錦100%で精米歩合は55%。ふくよかな米の香りが漂い、濃醇でボディのある口当たりではあるが、飲んでみると意外に引き締まった辛口で、キレがよくバランスも良い。今が旬の鱈の白子の濃厚な味わいとよくマッチして、なかなかのお味。

ご臨終メディア

ご臨終メディア
森達也・森巣博

 ・・・「ご遺族の心情は・・・・」式の報道は、言ってみればマニュアルだし、何よりもそんな報道で発露される情は、主体的な情ではありません。読者や視聴者という顔のないマスが抱くであろうと、伝える側が仮想する情なんです。
森巣 想像の情、そして、主語のない情。
 はい。主語のない情など、そもそもは論理矛盾だし、とてつもなくグロテスクな存在です。
(プロローグ「なぜ軸がずれるのか」より)


司法・立法・行政に次ぐ第4の権力として、マスコミが果たすべき社会的責任は重い。インターネットのプレゼンスが高まったとはいえ、マスコミ報道の影響力には太刀打ちできないのが現実だからだ。ただ本書を読み進めるうち、今日のメディアがどっぷりと組み込まれている「数字偏重主義」のシステムに、暗澹たる気分にさせられてしまった。数字が稼げる情報対象は“世間”が飽きるまで徹底的に消費され、数字が取れないものは即刻断頭台に送られる。いわばPOSデータの結果次第で、数多の新商品が発売から数日で棚から閉め出されるコンビニの売場と、ほぼ同次元の意識で情報の価値が量られている訳だ。そして言うまでもなく視聴率もPOSデータも、結局は生活者自身の視聴/購買行動が、そのまま正直に数字として反映されているに過ぎない。

森巣 ・・・報道すると影響を与える、プロパガンダになると思って、メディアが勝手に自粛する。確かに、大衆はバカじゃないかと思うことも多いのです。たとえば、バカじゃなかったら、なんで三〇〇万人の東京都民が「極右」のシンタローに投票するかと。これは間違いでしょうか。
 その価値観としてはバカですね。
(第三章「見せないメディア」より)


(2007/1/28更新)

 
 
   

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