| ブランドは遊び心
銀座ママ麗子の成功の教えシリーズ
高橋朗
「・・・・そもそも芸術というものは、人間の情動の発露であって、その人の真心そのものですわ。ですから、芸術を理解するということは、真心を受け止めることと同じですわ。そして、芸術を理解するためには、常識に捕らわれない自由な気持ちで、相手の真心を見つめる必要がありますわ。・・・・」(第5章「ブランドの価値は自分そのものの価値」より)
マーケティングの最新理論や現代日本の社会構造を、物語形式で身に付けられる“ケーススタディ小説”シリーズの第2巻(全5巻)。図書館で見かけたので軽い気持ちで借りたが、想像よりは結構ちゃんとした内容だった。
設定は、大手ビールメーカー「タイガービール」社が、ヨーロッパで大ヒットさせた高級ブランドビールの「ニョライ」を、いかに日本に逆輸入し定着させるかというテーマに、広告代理店「芸通」の面々が取り組むというもの。そして広告マン達に思索の場と貴重なヒントを与えるのが、心理学とマーケティングに精通した銀座のスーパーママ麗子だ。本書では、現代日本の生活者を大きく4つ(知的ラディカル層、享楽的エリート層、小市民的保守層、無気力ノンポリ層)にセグメントし、各層の深層心理を詳しく分析しながら、高級ビールの最適なブランディング戦略を提示している。
主人公の「〜ですわ」「〜ですの」といったリアリティのない言葉遣いが相当目障りだが、教科書的な記述に比べ、小説仕立てにすると確かに分かりやすいな、というのが正直な感想。
「自分は勝ち組なんだと思い込んだまま育つ若者が増えたということです。なぜなら、競争がないので負けることがない。また、親をはじめ誰からも否定されないので、このままでいいんだと思いながら育つわけですよ。つまり、自己否定することが一度もないまま大人になるのが、今の若者なんですよ」(第6章「ブランドは資本主義を乗り越える」より)
(2007/2/1更新)
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