酒本舗

BACK

二月の酒と本(六)

NEXT

最近飲んだ酒 近頃読んだ本
峨眉山

峨眉山(島根)
純米酒・花酵母仕込み
720ml/1100円


「峨眉山」は「李白」でおなじみ李白酒造の別銘柄で、中国四川省にある中国四大仏教名山の一つにちなんで名付けられた。花酵母は東京農大の短期大学部酒類学研究室が開発、この純米酒ではシャクナゲの花から分離された酵母が使われている。バナナを思わせるほんのりと華やかな芳香が特徴。飲み口自体も品が良くはかなげだが、デリケートな優しさの中に芯の強さを感じさせる独特の味わいを持つ。
なお原料米は地元島根で育成された「神の舞」を使用。「五百万石」と「美山錦」を交配して作られた比較的新しい米である。

野球力

野球力
小関順二

今現在、目の前で繰り広げられているプレーによって、ストップウォッチがあれば誰でも選手の走力、守備力をデジタル数字で浮き彫りにできるのである。・・・(中略)・・・打者走者の一塁到達スピード3.86秒、捕手の二塁送球スピード1.90秒、投手のクイックスピード1.15秒という100分の1秒の世界が無機質ではなく、選手のワンプレーに息吹を与えていくさまを体験できると信じている。(はじめに」より)

野球選手の能力は従来、打者は主に打率・本塁打数・打点・盗塁、投手は勝ち数・奪三振数・防御率で評価されていた。しかし近年、選手の価値はそうした数字に顕れない点にあるのでは? との見方が広がりつつある。例えば米オークランドアスレチックスのGMビリービーンの場合、「打者は塁に数多く出る能力、投手なら走者を出さない能力」を絶対的基準に低年俸の選手を集めては、常に優勝争いができるチームを作り上げている。
本書の主張は、早い話がストップウォッチ片手で観戦すれば、選手の潜在能力を違った一面から判別できるよということ。打者なら打ってから一塁を駆け抜けるまでの秒数、投手なら走者を置いてのクイックモーションの秒数、捕手なら二塁への送球スピードetc.。いずれも野球好きなら「確かに」と納得できる判断基準ではある。基本的に野球は点取りゲームで、勝負の大半は投手と打者の対決に帰着させられることが多いが、野球の中に潜む百分の一秒のせめぎ合いに目を向け、そこからまだ見ぬ勝敗の分かれ目を見抜くのも、新たな野球の楽しみ方を発見するきっかけになるかも知れない。

ストップウォッチの世界ではプロもアマも関係ない。走力、肩力にかぎってはアマチュア選手のほうが能力が高い場合すらある。だから、ストップウォッチは楽しいのだ。
それではプロとアマの差って何だ、ということになる。実はプロとアマを大きく隔てているのは「技術」という大河なのである。こればかりはプロとアマを混同して語ることは許されない。
(第五章「ストップウォッチを持って観戦に行こう」より)


(2007/2/23更新)

 
 
   

TOP HOMEページへ