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福小町(秋田)
大吟醸・秋田酒こまち仕込み
720ml/2625円
元和元年(1615)創業、「東北の灘」と言われる秋田・湯沢の木村酒造が造り上げた、 「これぞ大吟醸!」という上品かつ華やかな上立ち香を持つ大吟醸。酒米には秋田県農業試験場が15年かかって作り上げた「あきた酒こまち」を使用し、「こまち酵母」で仕込んでいる。味の方も香りのイメージを裏切らないすっきりとした淡麗タイプ。フルーティで澄んだ味わいの中に意外な膨らみもあって、華やぎのあるお花見の席にぴったりの存在感であった。淡白であっさりした料理と好相性。
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バーのある人生 枝川公一
バーにメニューは要らない。メニューがないことがバーの証明だと言い切ってしまってもいいくらいではないか。つまり「メニューはありません」とは、バーテンダーと相対で、ご自分のお好みのものを注文してくださいよ、という意味である。また、バーテンダーは、お客さんのご注文でなんでもつくりますよ、という意味にもなる。(4「バーの時間の過ごし方」より)
生田神社西の路地を入った所に、バー「ローズブーケ」はある。オーナーバーテンダーのH氏は、舞子ビラのメインバーで修行を積んだ正統派。店名はコンクールで入賞した自作のカクテルの名前だ。年に数回しか訪れない私は、決して上客とは言えないくせに、図々しくも「長いお別れ」に出てくるレシピ通りのギムレットを注文したり、毎回微妙に配合を変えてマティーニを作ってもらったりと、H氏の腕に甘えてわがままな注文をしている。幾度通っても決して狎れることなく、物静かに、折り目正しく、どの客も平等にもてなす態度が美しい。通い始めて3年近くになるが、どうやら酒だけでなくシガーも扱っているようなので(先日初めて知った)、次回は是非にと楽しみにしている。
今、行きつけのバーはこの一軒しかなくなったが、一軒いい店があれば、それで十分だ。
次の瞬間には、ガシャッという音がして、グラスは消え、ガラスの破片が、カウンターを流れる液体のなかに散らばっている。割ってしまった。
「触らないでください」と制してから、バーテンダーは、手早く残骸を拭き取り、「形あるものは壊れるのですから」と言った。これが、この場合の常套句だとはかねがね聞いていたけれど、やはりそうだったかと思う。不謹慎だけれど、これにはとても感動した。(4「バーの時間の過ごし方」より)
(2007/4/5更新)
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