酒本舗

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四月の酒と本(八)

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大七

大七(福島)
純米生もと生原酒
720ml/1575円


極力今まで載せてない銘柄をと思いつつ、酒を選ぶことの多い昨今。だが行きつけの酒屋の棚でこの酒と目が合い、「おおっ『大七純米生もと』の『生原酒』じゃ!」と、三度目の「大七」になるのを知りつつ買わずにおれなかった。日本名門酒会が全国で行った試飲会「熱闘!〈夏生〉甲子園」で、料飲店/酒販店等酒を扱うプロから人気第1位に選ばれた実績もある銘酒だ。
利き猪口から立ち上る濃厚な香り。口に含むと生もとならではの濃密な旨味と酸味が広がるが、相当しっかりした味わいであるにもかかわらず、後味にくどさが全く残らず潔くスッと引いていく。生原酒を飲む喜ぶを改めて教えてくれる絶品。そして肴は大七のために買ったとも言える鯨刺し。個性の強いもの同士なのにぶつかることなく調和して、実に美味なる一時であった。

テレビは日本人を「バカ」にしたか?

テレビは日本人を「バカ」にしたか?
大宅壮一と「一億総白痴化」の時代

北村充文

日本の大衆の知的レベルはそれほど低いものではないから、「これまでの商業放送は唯量主義(視聴率競争)であったが、もうそろそろ質の方へきりかえるべきである」と大宅は苦言を呈している。・・・(略)・・・以来半世紀近く、これは日本の商業放送業界でつねに古くて新しい問題になった。(第三章「『マス・コミの白痴化』から『一億白痴化』まで」より)

「テレビは恐竜の卵のようなもの。今踏みつけたら簡単につぶれるが、孵化したら将来恐ろしい怪物になる」と、阪急電鉄総帥だった小林一三は言った。大宅壮一も「テレビこそ、二十世紀後半が生んだ文化的怪獣である。魔物であって、その正体をつかみにくい」との言葉を残した。実際昭和の後半はまさにテレビ時代であり、テレビが世論を左右し、人びとの価値観に影響を与え、多くの流行を生み出していた。テレビっ子だった私の思い出の多くも、かつて見た音楽番組やドラマ、スポーツ中継等と密接に結びついている。
しかし日本でテレビ放送が始まって54年。猛威を振るい続けてきた怪獣も、そろそろその勢いが衰えつつあるようだ。
来たる2011年7月24日、地上アナログ放送は停波になり、現行の古いテレビで地上波が視聴できなくなる。家電業界は買換需要に大きな期待を寄せているが、若い世代の中にはYouTube等の動画共有サイトで十分とばかり、新しいテレビを買わない選択をする人が多く現れるだろう。固定電話を設置しないのと同じ感覚で・・・。

〈見る文化〉のテレビ放送が半世紀を超えた現在、インターネットや携帯電話という新しい〈さわる文化〉の入り口にいる私たちにも、メディアに嘘をつかせない、メディアの嘘を見破るという覚悟が必要なのではないか。(第六章「私をアホにしないで」より)

(2007/4/28更新)

 
 
   

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