| 検証日本の組織ジャーナリズム
NHKと朝日新聞
川崎泰資・柴田鉄治
川崎 常に使命感を持つことであり、権力の誘惑に屈しないこと。「権力に愛されるのはジャーナリストではない」「権力に憎まれることを恐れてはならない」という言葉を記者たちに贈りたい。
柴田 使命感と同時に、幅広い視野と見識を持ちたいものだ。(提言「これからどうすべきか」より)
高校の同級生であり、NHKと朝日新聞でそれぞれ幹部社員(会長室審議委員/論説主幹代理)だった二人のベテランジャーナリストが、それぞれの出身母体を中心とした組織ジャーナリズムの弱体化を憂い、辛辣な苦言を綴った論考集。全編にわたって、「新聞やテレビは一体何をしているのだ」という苛立ちに満ちている。
中でも印象に残ったのは、多くの新聞社が自社傘下の印刷所の空き時間に「聖教新聞」「公明新聞」の印刷を受託、事実上創価学会の“カネ縛り”にあっているという記述である。また経営が楽ではない地方のテレビ局にとっても、学会提供による宗教系PR番組が貴重な収益源となっているため、暗黙のうちに支配を受ける形になりつつあるとのこと。特定の宗教団体が、時の政府と密着しながら同時にマスメディアを浸食しつつある様は、何となく薄気味悪い。
ジャーナリズムの仕事は、日々の出来事の報道ではあるが、それは歴史に残るものであり、一過性のものと考えてはならない。常に過去の報道を検証し、過ちがあれば、それを正していく勇気が必要である。それが国民の信頼を得る道にもつながるのだ。(「あとがき」より)
(2007/5/7更新)
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