酒本舗

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七月の酒と本(四)

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最近飲んだ酒 近頃読んだ本
水神

水神(岩手)
純米大辛口
300ml/390円


銘醸「あさ開」で11年連続全国新酒鑑評会金賞を受賞中の藤尾正彦杜氏が、南部の米と水にこだわって醸した+10度の辛口純米。一般小売では飲めない飲食店専用の銘柄。ラベルの原画は中国・南宋期の画人陳容の筆によるもので、「水神(すいじん)」とは雨を司り豊穣をもたらす神様のことを指す。
グラスに注ぐと、探らないと判らない程微かな吟醸香が感じられ、飲み口はコクがありながらもスッキリとしたキレの良い味わい。日本酒度の割には程良い塩梅の飲み飽きない辛口で、食中酒に最適。新宿「やきとり横丁」の「宝来家」にてもつ焼各種と煮込み、ポテトサラダ、豚耳と共に。

わが家の夕めし

わが家の夕めし
池波正太郎

私の晩酌は、冷酒を茶わんで二合。
外でのんでも、五合までなら、どうにか帰宅して仕事が出来る。しかし、そのようなことは月に一度ぐらいなもので、できるならば、今夜は仕事をしなくてもよい、というときに出かけてのみたい。
私は、のむと、きげんがよくなる。
(酒・昭和四十五年二月号「私の酒ぐせ」より)


「オール讀物」で「鬼平犯科帳」の連載が始まった昭和43年1月、私はまだ幼稚園児だった。本書はその「鬼平」のほか、「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」など17本の連載を抱えていた昭和44〜49年に、様々な媒体に散発的に書かれ、そのまま埋もれていたエッセイを全て集めたものである。
1923年生まれの著者は、当時がちょうど四十代半ば。まさに今の私とほぼ同世代の頃に書かれた文章、ということになる。何せ十代後半にして株の相場を生業とし、吉原通いを続けていた著者であるから、同じ四十代半ばでも人生への見方が違う。同世代とはとても思えず、自分の未熟さを否が応でも思い知らされる気がした。

×月×日
H君は車なので先へ帰る。
昼前に[小島]へ行く。K氏T氏来る。
小福、浜勇、鶴松来り。ビールをのむ。
旧知の間柄とて、女たち高声に世間ばなしをしているのを、居ねむりしながらきく。
当節、芸妓も大変なり。もっとも、私の商売も大変なのである。
(スクラップブック昭和四十五年「梅雨の北陸路」より)


(2007/7/15更新)

 
 
   

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