酒本舗

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七月の酒と本(六)

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最近飲んだ酒 近頃読んだ本
越乃八豊

越乃八豊(新潟)
超特撰純米酒
300ml/448円


日本橋三越近くのコンビニで購入。コクのあるまっすぐな辛口。呑み始めは後味の苦みが少し気になっていたが、飲み進めていくうちに徐々にそのドライな味わいが好ましく思えてくる、ある意味呑ん兵衛向きの酒。蔵元の越後酒造場は昭和7年創業。「越乃八豊」の他「甘雨」という銘柄で知られている。
ちなみに肴は海藻サラダ、切り干し大根、ミミガー(沖縄風豚耳)、鮭とイクラのご飯。

血涙

血涙(上)(下)
北方謙三

もう一度、ぶつかった。楊六郎の剣が、石幻果の兜を飛ばし、口から頬を傷つけた。楊六郎も、肩に傷を受けたはずだ。
そこまでが、石幻果でいられた。不意に、視界が回っているような気がした。右手の合図を出すのも、忘れていた。赤龍が、ただ疾駆している。
誰かが、自分を呼んでいる。それも、四郎と。なんなのだ。四郎と呼ばれて、なぜ自分が呼ばれていると感じるのか。
(第六章「その日」より)


宋王朝建国前後に活躍した軍閥・楊一族の闘いを描き、第38回吉川英治文学賞に輝いた『楊家将』の続編。但し中国の原典にはない、北方謙三オリジナルの物語である。
名作と言われるものの続編にはがっかりさせられるケースが多いが、本書の場合には当てはまらない。気が付けば、七百頁近い大作を正味二日間で一気に読み終えていた。前作の流れを自然に受け継いだ無理のない舞台設定、ストーリー運びのテンポの良さ、つい感情移入してしまう個々の人物造形、無駄がなくかつ必然性のあるセリフ回し等、書かれるべくして書かれた感のある“完結編”である。登場人物が絞られた分、一人ひとりが丹念に描き込まれており、個人的には前作よりも面白く読めた様な気もする。

「楊業は、あなたの祖父にあたる人です」
「いえ」
「なぜ?」
「私は、楊四郎の息子ではありません。石幻果の息子です。祖父は耶律休哥、祖母は太后様だと、思い定めています」
不意に涙ぐみそうになり、簫希姫は横をむいた。
自分と耶律休哥が残したものが、はっきりとしたかたちでここにある、という思いがくり返し襲ってくる。生きていた。闘った。それは無駄ではなかった。
(終章「草原」より)


(2007/7/23更新)

 
 
   

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