| 湖水に消える・影に潜む
ロバート・B・パーカー著/菊池光訳
「それで、どうしてパラダイスに来ることになったの?」
「おれはロスで警察官をやっていた。アル中ということでクビになった。それに、結婚生活が破綻を来した。それで、ロスからできるだけ離れたところでやり直そう、と考えた」(「湖水に消える」第10章より)
前回のスペンサーシリーズ同様、ジェシーストーンシリーズも2作続けて読破。スーザン以外の女性に指一本触れない堅物スペンサーとは対照的に、パラダイス警察の署長ストーンの女性遍歴は絶好調。別れた妻といまだにベッドを共にする傍ら、周りに現れる才色兼備の美女達ともあっさり関係を結んでいく。いわばベッドシーンの合間に事件を解決しているかのよう。また古典的な一人称のスペンサーシリーズとは違い、三人称で書かれている分プロットの展開にも広がりを持たせられるため、著者のパーカーもきっと、こちらのシリーズを書いている時の方が楽しいに違いない。スペンサーシリーズと共通の脇役が毎回何人か登場するのも読みどころの一つ。
バアへ持って行って、氷をたくさん入れたスコッチのソーダ割りを作り、カウンターに坐ってちびちび飲んだ。最初の一杯に優るものはない。最初の一杯の気分は、後でトラブルが起きてもかまわないだけの価値がある。酒の感触が体中に広がるのに任せておいた。ますますいい。自分は、感じているほどに孤独でないのが判っていた。(「影に潜む」第58章より)
(2007/9/6更新)
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