酒本舗

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十月の酒と本(一)

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直実

直実(埼玉)
特別純米
720ml/1450円


地元熊谷産の酒造好適米「さけ武蔵」を吟醸造りで醸した、日本酒度+5.0、酸度1.4の辛口。裏ラベルにある通り「ふくよかですっきりした味わい」ではあるが、単なるすっきり系ではなく結構骨太な余韻も楽しめる。
蔵元は埼玉県熊谷市の権田酒造。ちなみに「直実」の酒銘は、平安鎌倉期に源頼朝から「日本一の剛の者」と賞賛され、一ノ谷で平敦盛と後世に残る名場面を演じた熊谷次郎直実に由来する。

ウェブ社会の思想

ウェブ社会の思想
〈遍在する私〉をどう生きるか

鈴木謙介

ユビキタスな環境の中に立ち現れる〈バーチャルなわたし」の遍在によって、私たちは、自分自身が何ものであるかについての語り(自己物語)を後景化させ、自分に関するデータの蓄積から導かれた「宿命」を、端的な事実として受け容れるという未来へ向かいつつある。宿命という島宇宙に閉ざされた環境の中で、私たちはどのようにして、その外側の未来を選択し得るのか。(第五章「公共性とマスメディア」より)

物を買う、調べ物をする、知人とコミュニケーションを取る、「酒」と「本」について偏愛的に語る(!)・・・etc.、多くの人はネットの中に、意識的にも無意識的にも自らの痕跡を残している。で、これらの行動履歴は第三者によって公然と蓄積され、amazonならお奨めの本を、iGoogleならお奨めのWEBページを呈示してくれる。そうやってネット上に様々な足跡を残していくうちにデータは精緻化され、“お奨め”はますます確度と便利さを増す。いずれネット上に〈遍在する私〉の履歴=個人的興味と偏愛の記録を基に《Google Job》が「Bestな仕事」を、《Google Partner》が「Just fittingなHの相手」を見つけてくれるのだろう。
そして自発的な検索/行動履歴に基づいている事で、ネット上に遍在する〈バーチャルな私〉の方が、自ら物語る〈私〉よりも〈リアルな私〉を体現していると周りは、いや私自身さえ思うのかも知れない。

情報化されたコミュニケーションの増大により、私たちは自らのコミュニケーションを相対化して反省することなく、ますます「小さな真実」を信仰するようになっているように思われる。・・・(中略)・・・このように、めいめいの生きる〈現実〉を、情報環境が補強するという事態が加速していくことで、能動的であることや公共的であることは、ますます困難になっていく。(第七章「宿命と成長(2)」より)

(2007/10/1更新)

 
 
   

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