酒本舗

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十一月の酒と本(一)

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最近飲んだ酒 近頃読んだ本
朱盃

朱盃(熊本)
純米
720ml/1011円


骨太でシンプルな味わいの辛口。この日はよく冷えた状態で飲んだが、常温に近い方が味わいに深みと幅が出るタイプの様な気がする。原料米は美山錦(65%精米)。前回の坤滴と同じく新橋の「吟」にて。肴は肉豆腐。
蔵元の千代の園酒造は明治29年創業。純粋日本酒協会設立に参加するなど純米酒普及のパイオニア的存在でもある。

無思想の発見

無思想の発見
養老孟司

自分とは「創る」ものであって、「探す」ものではない。それが大した作品にならなくたって、それはそれで仕方がない。そもそも大したものかどうか、そんなこと、神様にしかわかるはずがない。それがわかったら、もう個性とか、本当の自分とか、自分に合った仕事とか、アホなことは考えないほうがいい。どんな作品になるか、わかりゃしないのだが、ともかくできそうな自分を「創ってみる」しかない。(第二章「だれが自分を創るのか」より)

「自分探し」という言葉を聞くと虫酸が走る。正しくは、「自分探し」を言い訳に世の中と向き合わないヤツが嫌いだ。今迄はこの嫌悪感を巧く説明できなかったが、冒頭に引用した一節を読んで思わず膝を叩いた。「そうそう、自分とは探すもんやなく、創るもんやで」。今後はこの言葉を使わせて頂くことにする。
だからつい先頃迄は、「自分探し」と称して世界を漫遊している元蹴球選手が好きになれなかったが、この一節に触れてからは、ある一つの世界で一度自分を「創り上げた」人だからOKなんだ、と思える様になった。ただ自分を一度も「創ろう」としないまま、「○田だって自分探しをしているんだから・・・」と大義名分を得たと思っている浅はかな連中に、「俺はサッカー以外の世界で、再度新たな自分を『創ろう』としてるんだよ」と言ってやってほしいもんだ。

つまり「未知との遭遇」とは、本質的には新しい自分との遭遇であって、未知の環境との遭遇ではない。そこを誤解するから、若者はえてして自分を変えず、周囲を変えようとする。・・・(中略)・・・しかしいつまでも未知を訪問しているわけにはいかない。働いて、家族を養い、食っていかなきゃならないのである。その必要がなければ、今度は退屈するであろう。(第九章「じゃあどうするのか」より)

(2007/11/1更新)
*養老孟司のその他の本
「バカの壁」
「養老孟司の〈逆さメガネ〉」
「日本人の正体」

 
 
   

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