酒本舗

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一月の酒と本(九)

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最近飲んだ酒 近頃読んだ本
初霞

初霞(奈良)
生もと純米
720ml/1365円


炭素濾過を行っていないため、酒器に注ぐとほんのり黄金色。しっかりとボディのきいた芯の強い酒だが、飲み口自体は軽やかでクセがなく、後味もキレがあって心地良い。低めの常温も旨いが、燗にすると全体に膨らみが増して、生もとならではの味わい深いひとときが楽しめる。肴は海鮮丼とにぎり寿司。
蔵元は、浅野内匠頭が刃傷沙汰を起こした元禄15年(1702)創業の老舗・久保本家酒造。

フラット革命

フラット革命
佐々木俊尚

だからネットの世界は、坩堝ではなく「サラダボウル」のようなものなのだ。サラダボウルの中にはトマトやレタス、キュウリ、セロリなどさまざまな野菜が投げ込まれ、しかし決して混じりあうことなく、しかしひとつの調和を保ってそこに存在している。(第四章「公共性をだれが保証するのか」より)

権威や肩書きではなく、言論の内容でのみ評価される時代が既に始まっていることを実例で論理的に説明しながら、大新聞社をスピンアウトしたフリーのジャーナリストとして、自己批判を含めて自らの覚悟を表明した本。最近読んだネット論の中では最も胸に刺さった。内容もさることながら、新聞社で鍛えられた論旨展開の明解さと文章力はやはりプロの技。既に到来しているフラットな言論世界の中では、ある意味今まで以上に文章の構成力、表現力、レトリックの巧拙が武器になるのだろう。言いたい事をしっかりと持った人が、言いたい事をしっかり伝える能力と、議論の応酬に絶えうる情熱を持ったら強いよなあと、改めて感じさせられた。
まあ私については、せいぜいそのフラットな言論空間の中を、ふらふらと好きな酒に酔い、おもろい本に耽溺しつつ、感じたことを気儘に書き連ねる活字ドランカーであり続けたい。

一般の人々から批判され、自分の言論をまな板の上に載せる覚悟を持てない言論人は、もう消えていくしかないのだ。
自分への批判を、決して恐れてはならない。(中略)
批判、それに対する反論、そして再反論、そうした議論のすべてが可視化されていくことこそが、新たな公共性を生み出していくのだ。
(第四章「公共性をだれが保証するのか」より)


(2008/1/27更新)

 
 
   

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