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車坂(和歌山)
あまからぴん純米吟醸生
720ml/1400円
昨年7月に1年以上寝かせた「車坂」の純米吟醸生を飲み、「折を見て、新しい醸造年度のものを味わってみたい」と書いたが、今回はその希望通り昨年10月に出荷されたバージョン。恋野産山田錦を58%磨き、和歌山酵母で醸している。
利き猪口に注ぐと薄い琥珀色で、見た目からして米の旨味が感じられそうな酒。口当たりは濃醇な甘さを感じさせるが、やがて微かな酸味とコクが口中に広がり、喉を通った後にくどさはないが骨太な余韻が残る。基本的には冷やして楽しむ酒だが、常温で飲っても全体に膨らみが出て、味わいの幅が広がる感じがする。
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社会脳
人生のカギをにぎるもの
岡田尊司
進化的に見て、人間の社会脳はヒエラルヒー型の社会集団を前提として発達してきたものであった。つまり、蟻が無意識のうちに蟻塚を作るように、人間は本性として、集団内にヒエラルヒーを作ろうとする。霊長類以来の遺産である、ヒエラルヒー型社会を乗り越えることができるかどうかという局面に、我々はいる。(第七章「ヒトはどこへ向かうのか」より)
ひきこもりやニート問題、学力低下等々、現代社会が抱えている諸問題の背景には、パーソナリティの根底にある「社会脳」が育たなくなっていることが原因としてある、というのが本書の論旨。「ゲーム脳」とか「脳内汚染」とか、世の中の問題点を何でも「脳」の機能不全で説明を付けるのもどうかと思うが、サルの世界でさえ社会性がなければ生きて行けない程だから、世知辛い人の世なら尚更だ。
ところで本の内容よりも興味を惹いたのが、著者の経歴である。東大哲学科を中退、京大医学部に入り直して脳科学と精神医学を学び、現在は医療少年院の臨床医として、問題を起こした若者達の精神的危機と向き合っているとのこと。哲学的思索と科学的考察が脳内で融合し、旺盛な言論活動に活かされているのかと思うと、その出来の良い脳みそが少々うらやましくもある。
顔を介さない関係は、社会脳を素通りし、社会的関係を言語的な記号の関係に置き換えることを容易にする。顔をもたない他者は、純粋に言語的、記号的操作により、コミュニケーションを成り立たせ、相手に影響を与え、その行動を支配することもできる。そこでは、本来の共感性は、もはや必要条件でなくなる。(第七章「ヒトはどこへ向かうのか」より)
(2008/2/8更新)
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