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国重(香川)
吟醸
720ml/1365円
香川の銘酒「綾菊」の杜氏で「現代の名工」にも選ばれている国重弘明氏が、自らの名を冠した「国重」シリーズの吟醸酒。まろやかで上品な口当たり、柔らかな含み香、クセがなく飲み飽きない味わいを特長とする。食中酒としても適した中辛口で、この日の肴は肉じゃがと粕汁。
綾菊酒造のある綾歌郡綾上町は、県内屈指の良質米産地として知られ、大正天皇ご即位の際には献上米産地に選ばれた程。寛政2年(1790)の創業以来、一貫して「地の米」で「地の酒」を造ることを基本としており、「国重」も地元産オオセトを使用(50%精米)、阿讃山系綾川伏流地下水で醸している。
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商人龍馬
津本陽
龍馬は麟太郎が屋敷にいるときは、そばにいて長い間話し込んでいる。留守の日は間崎哲馬の後ろについて諸藩の志士と交流して、千葉道場にも滅多に顔を出さない。航海術の勉強など問題ではないと思っていた。
「航海術の伝習はやらんがか」
長次郎が聞くと、龍馬は言う。
「俺は今、日本国の舵の取り方を習いゆうがよ」(3章「日本国の舵取りを」より)
龍馬が創った亀山社中や海援隊は、日本最初の株式会社と見なされることが多い。また龍馬が高知の豪商・才谷屋の血筋であることは、幕末史に多少詳しい人にはよく知られた話。故に「商人龍馬」という書名に違和感はない。それよりは、日本史上の人傑を題材にした小説を次々と執筆し、龍馬についても既に全5巻の大作「龍馬」を上梓している著者が、いまだにこの人物に興味を持ち続けていたことに軽い驚きを覚えた。
著者はかつて「龍馬残影」という小説で、英雄としての固定したイメージに縛られず、「いろは丸事件」での龍馬の狡猾さ、横暴さを容赦なく抉り出した。無論その背景として、海援隊存亡の崖っぷちに在った当時の龍馬の必死さも公平に描かれており、龍馬好きの私にとっても斬新な視点であった記憶がある。それとの比較で言えば、「商人龍馬」で描かれている内容や人物像に特段新味はない。ただ没後140年というタイミングで、龍馬の本質を「商人」と捉えた作品を世に出したことには、それ相応の意義がなくはないと思う。
「まっことのう。蒸気船を使うたらなお儲かるろうねや」
龍馬は、社中の同士とともに今は薩長の必要とする武器・雑貨の購入を行っているが、戦が収まれば蝦夷、下関から長崎、上海を行き来して、さらに広東からルソン、パシフィック・オセアン(太平洋)を渡ってアメリカにも出向き、貿易をしようと考えていた。蒸気船という文明の利器を使えば、そのような夢が達成できるのである。(6章「薩長連合を策す」より)
(2008/2/18更新)
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