酒本舗

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四月の酒と本(七)

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太平山

太平山(秋田)
生もと純米無濾過生
720ml/1365円


裏ラベルの説明書きによると「太平山独特の生もと仕込みで醸した純米酒の今年一番に搾ったものを、そのまま濾過せず壜詰めしたお酒」。酒器に注ぐと蒸した米のような甘く芳醇な香りが立ち上る。口当たりも濃厚で、無濾過生ならではのフレッシュな味わいを追う様に、生もと仕込のしっかりと存在感のある旨味が口の中に広がる。
蔵元は明治12年(1879)創業の小玉醸造。元々は味噌・醤油の醸造業としてスタートし、大正2年から酒造りに着手したとのこと。モンドセレクションにも出展し、平成12年からずっと連続で金賞を受賞している。

訣別の海/スクール・デイズ

訣別の海/スクール・デイズ

訣別の海/スクール・デイズ
ロバート・B・パーカー

「俺は、一度彼に出くわしてないかな?」ジェッシイが言った。「パラダイスで何かの捜査をしているときに?」
「そうだと思うわ」リタが言った。
「彼と、恐ろしい黒人の男がいた」
「あなたは恐ろしいと言うかもしれないけど」リタが言った。「魅力的とも言えるわ」
(訣別の海「53」より)


ジェッシイ・ストーンシリーズの5作目とスペンサーシリーズの33作目を立て続けに読破。長年にわたってパーカーの作品を訳してきた菊池光氏が2006年6月に亡くなられたため、訳者がそれぞれ山本博氏、加賀山卓朗氏に変わった。翻訳の巧拙次第で作品のイメージや世界観はがらりと変わってしまうため、長年続くシリーズを引き継ぐ訳者には、それなりに重圧がかかっていたものと察せられる。各書のあとがきにも「菊池さんの名訳の後を汚さなかったかだけが心配である」(山本)、「半可通なものまねは読者にも氏にも失礼になると考え、ここぞというところ以外は自分の流儀でいくことにした」(加賀山)と、各氏各様の思いが記されていたが、長年読み続けている私にしてみれば、どちらも違和感なく楽しむことができたので、正直ひと安心といったところ。

「救いが必要な人間は何千といる」私は言った。「おれは全員を救うことはできない。それどころか、救おうとした人間の半分も救えない」
「だから偶然にまかせるの?」リタは言った。「誰かに雇われるという偶然に」
「偶然と選択だ」私は言った。「すべてを引き受けるわけではない」
「どうやって決めるの?」リタは言った。
「さあ」私は言った。「これというものは、たいがい見ればわかる」
(スクールデイズ「62」より)


(2008/4/19更新)

 
 
   

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