| 秘められた貌/ドリームガール
ロバート・B・パーカー
ジェンが泣き始めた。サニーは、銃をしまい、ジェンが座っているところに行って、椅子の肘に腰をかけ、ジェンの肩に腕を回した。ジェンは、ちょっと向きを変えると、顔をサニーの胸郭に押しつけ、さらに激しく泣いた。サニーが、彼女をそっと叩いた。
「大丈夫よ」彼女が言った。「わたしたち、一緒にちゃんとやっていかれるわ」
ジェッシィは、自分が二人の邪魔をしているような気がした。バーのスツールに座り、黙って空のグラスを手の中で回していた。(秘められた貌「14」より)
パーカーには「スペンサー」「ジェッシイ・ストーン」の両人気シリーズの他に、「女性探偵サニー・ランドル」というシリーズが5作も刊行されている。ただ女探偵という設定に食指がそそられず、今までは読む気になれなかった。そのサニーがジェッシイと恋仲にある女性として、「秘められた貌」にいきなりの登場である。まるでデビルマンの恋人として、突如キューティーハニーが現れた様なものだ。あとがきによると、本書より先に刊行された「サニー・ランドル」シリーズの新作「虚栄」で一足先にジェッシイが登場、二人の間にいろいろあったらしい。おまけにスペンサーの恋人スーザンまでが、サニーのかかりつけの精神科医として登場しているらしいので、そちらのシリーズの方も少し気になってきた。近いうちに読んでみよう。
そして一方の「ドリームガール」。長いマンネリズムの罠にはまっていたスペンサーシリーズも、前回の「スクール・デイズ」から長いスランプを脱した様で、二作続けて中身の濃い、ある意味重い読後感が残る作品となった。
エイプリルはどう反応すべきかわからないようだった。
「彼はふざけてるんだ」私が言った。「中国に侵攻されるのでないかぎり、ホークひとりで充分だ」
「中国相手では充分でないと思ってるのか?」ホークが言った。
私はそっけなく手を振った。
「そのときにはおれの援護が必要になるかもしれない」(ドリームガール「3」より)
(2008/4/22更新)
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