酒本舗

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五月の酒と本(二)

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最近飲んだ酒 近頃読んだ本
宝剣

宝剣(広島)
純米吟醸
1800ml/3150円


蔵元は明治5年(1872)創業の宝剣酒造。社の裏山(野呂山系)の崖下に江戸時代末期から湧出する名水が「宝剣」の命。硬度が低いため酒造りにとっては難しい水だが、独自の軟水醸造法によって、その特徴を逆に生かしたすっきり系の酒質に仕上げている。
酒器からは上品かつ華やかな上立ち香が立ち上り、口に含むとコシの強い膨らみのある味わい、喉を越した後はすっきりと心地良い余韻が楽しめる。新橋の魚金四号店にて。

家族の名誉

二度目の破滅

家族の名誉/二度目の破滅
ロバート・B・パーカー著/奥村章子訳

「外に出て、倉庫にいた西部のならず者みたいなふたりを監視しててくれないか}と、スパイクがわたしにいった。
「助けてくれ」とモートが叫んだ。
スパイクはモートに顔を近づけてなにやらささやいた。
まるで催眠術をかけられたかのようにモートが抵抗するのをやめた。わたしは事務所を出てドアを閉めた。
(二度目の破滅「38」より)


ロバート・B・パーカーによる女性探偵サニー・ランドルシリーズの第一作と第二作。先頃読んだジェッシイ・ストーンシリーズの最新作「秘められた貌」にサニーが登場したことが、このシリーズに興味を持ったきっかけであり、このまま読み進めれば、いずれ第五作の「虚栄」にジェッシイが登場することになる。まんまと作者のマーケティングにはめられた様で悔しい気もするが、まあ仕方がない。
作者自身が離婚の危機を経験したことが各作品に色濃く投影され、サニーもジェッシイもそれぞれが別れた配偶者を忘れられず、未練たっぷりに微妙な男女関係を続ける設定になっている。常にそこでは「自立と束縛」が命題となっており、スペンサーとスーザンも一時はその葛藤が元で距離を置いた(「拡がる輪」「告別」)。ちなみに現実のパーカー夫妻の方は離婚の危機を回避し、同じ家の上階と下階に別れて暮らすという解決方法を見出したことで、現在もその“友好的な家庭内別居”を続けているそうな。

「前にも訊いたはずだけど、おれたちはどうして離婚したんだ?」とリッチーがいった。
「あなたが結婚を理想化しすぎたせいで、現実とのギャップに失望ばかりしたからよ」
「なんだ、やっぱり理由があったんだ」
「でも、別れてからはうまくいってるわ」
(二度目の破滅「44」より)


(2008/5/4更新)

 
 
   

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