| 家族の名誉/二度目の破滅
ロバート・B・パーカー著/奥村章子訳
「外に出て、倉庫にいた西部のならず者みたいなふたりを監視しててくれないか}と、スパイクがわたしにいった。
「助けてくれ」とモートが叫んだ。
スパイクはモートに顔を近づけてなにやらささやいた。
まるで催眠術をかけられたかのようにモートが抵抗するのをやめた。わたしは事務所を出てドアを閉めた。(二度目の破滅「38」より)
ロバート・B・パーカーによる女性探偵サニー・ランドルシリーズの第一作と第二作。先頃読んだジェッシイ・ストーンシリーズの最新作「秘められた貌」にサニーが登場したことが、このシリーズに興味を持ったきっかけであり、このまま読み進めれば、いずれ第五作の「虚栄」にジェッシイが登場することになる。まんまと作者のマーケティングにはめられた様で悔しい気もするが、まあ仕方がない。
作者自身が離婚の危機を経験したことが各作品に色濃く投影され、サニーもジェッシイもそれぞれが別れた配偶者を忘れられず、未練たっぷりに微妙な男女関係を続ける設定になっている。常にそこでは「自立と束縛」が命題となっており、スペンサーとスーザンも一時はその葛藤が元で距離を置いた(「拡がる輪」「告別」)。ちなみに現実のパーカー夫妻の方は離婚の危機を回避し、同じ家の上階と下階に別れて暮らすという解決方法を見出したことで、現在もその“友好的な家庭内別居”を続けているそうな。
「前にも訊いたはずだけど、おれたちはどうして離婚したんだ?」とリッチーがいった。
「あなたが結婚を理想化しすぎたせいで、現実とのギャップに失望ばかりしたからよ」
「なんだ、やっぱり理由があったんだ」
「でも、別れてからはうまくいってるわ」(二度目の破滅「44」より)
(2008/5/4更新)
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