| テレビだョ!全員集合
自作自演の1970年代
長谷正人/太田省一 編著
『輝く!日本レコード大賞』を見て、『NHK紅白歌合戦』を見て、『ゆく年くる年』を見て年を越す。典型的な都市郊外の中流階層だった私も、少年時代はまさにこのパターンで年を越していた。日本人の全員がそうだったとは思わないが、この年越しがステレオタイプとしてのリアリティをもっていた時代が、長く続いたことは事実である。(第6章「テレビと大晦日」より)
70年代は「TVの時代」だった。流行りの音楽もファッションもスポーツもアートも遊びも言葉も、発信元はほとんどがTVだった。一億の国民はTVを通じて長嶋茂雄の引退に涙し、「また逢う日まで」や「喝采」や「UFO」を口ずさみ、「浅間山荘」の成り行きをじっと見守り、大晦日ごとに「レコ大」、「紅白」、「ゆく年くる年」をはしごした。個人的にも70年代は小学生、中学生、高校生と成長していく時代で、その時々の記憶は結局何らかの形でTVと結びついている様な気がする。
本書は「8時だョ!全員集合」「ザ・ベストテン」「時間ですよ」など70年代に一世を風靡した番組を読み解きながら、バラエティ・歌番組・ドキュメンタリー・ドラマ等のジャンル毎に当時のTV文化の実相を読み、現在のTV文化の起源を探るメディア論。オタク的盛り上がりとは一味違う、知的な研究として当時のTVを振り返りたい向きには最適である。
すべてのジャンルでテレビが執拗に「キャラ」を求めるようになった現代は、「女子アナ」という記号もまた一つの「キャラ」として消費されていく。いや、正確に言えば「テレビにおけるキャラ消費」の原形こそ、一九八〇年代に浮上した「女子アナ」だった。(第7章「『女子アナ』以降
あるいは"一九八〇年代/フジテレビ的なるもの"の下部構造」より)
(2008/5/11更新)
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